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	<title>AniKo</title>
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	<description>インタビューマガジン</description>
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		<title>ホラーにするのは必然だった『クーデルカ』のゲーム設計　菊田裕樹【『27年目のクーデルカ』インタビュー試し読み】</title>
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		<pubDate>Tue, 16 Dec 2025 03:00:57 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[wpmaster]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Game]]></category>

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		<description><![CDATA[1999年12月16日、初代プレイステーションのRPGとしてSNKから発売された『クーデルカ』。『聖剣伝説2』『3』の音楽などを手がけた菊田裕樹氏がスクウェアから独立して立ちあげたサクノスが開発を手がけている。同作で菊田氏は、企画・総監督・脚本・音楽・ムービー絵コンテなどを手がけ、『クーデルカ』の世 [&#8230;]</p><p><a class="more-link" href="http://ani-ko.com/70-kikuta">続きを読む</a></p>]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>1999年12月16日、初代プレイステーションのRPGとしてSNKから発売された『クーデルカ』。『聖剣伝説2』『3』の音楽などを手がけた菊田裕樹氏がスクウェアから独立して立ちあげたサクノスが開発を手がけている。同作で菊田氏は、企画・総監督・脚本・音楽・ムービー絵コンテなどを手がけ、『クーデルカ』の世界を作りあげた。<br />
物語の舞台は19世紀末の1898年10月31日、イギリス・ウェールズ。19歳の霊媒師クーデルカ・イアサントが、冒険家のエドワード・プランケット（のちのロード・ダンセイニ）、司教のジェームズ・オフラハティーと、闇と死と神秘に満ちたネメトン修道院で一夜の冒険を繰り広げるホラーストーリーで、切り裂きジャック事件、ロジャー・ベーコンなど実在の事件や人物などもモチーフとして盛りこまれている。イベントムービーには発展途上の技術だったモーションキャプチャーが用いられ、当時としては画期的な試みが多くなされた意欲作だった。戦闘部分がこなれていないなど荒削りな部分はありつつも、その世界観やストーリーに魅了されたファンは多い。<br />
スクウェア入社前に結城二十六名義で漫画家として活動していた菊田氏は音楽だけでなく、作品づくりや演出志向のあるクリエイターでもある。発売から四半世紀以上が過ぎた今、あらためて菊田氏に『クーデルカ』について語ってもらった。</p>
<p><a href="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2025/12/X_2025W_01.jpg"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2025/12/X_2025W_01.jpg" alt="X_2025W_01" width="839" height="595" class="aligncenter size-full wp-image-1328" /></a></p>
<p>※本記事は、2025年末の「コミックマーケット107」で頒布する紙の同人誌新刊『27年目のクーデルカ』に収録したインタビューの試し読みです。全体約1万5000字のうち冒頭約4500字を掲載しました。続きを読みたいと思われた方は、恐縮ながら『27年目のクーデルカ』をお買い求めください。同人誌には、菊田裕樹さん執筆の『クーデルカ』テキスト資料集のほか、菊田さんが描いた『クーデルカ』ムービー絵コンテなどの画素材も掲載されています。<br />
「コミックマーケット105」2日目の2025年12月31日、AniKoのスペース「水-東ソ58a」で頒布します。<br />
（2026年1月4日追記）<strong>メロンブックスで通信販売中</strong>です（<a href="https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=3430172">https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=3430172</a>）。</p>
<p><strong>Profile</strong><br />
<strong>菊田裕樹　Hiroki Kikuta</strong><br />
作曲家。1962年、愛知県生まれ。スクウェア（現スクウェア・エニックス）在籍時に『聖剣伝説2』『聖剣伝説3』『双界儀』の音楽を担当。独立後も、『シャイ ニング・ハーツ』『インディヴィジブル 闇を祓う魂たち』『聖塔神記 トリニティトリガー』等、多数のBGM作曲を手がけるなど多方面にて活躍。X（ツイッター）アカウント（<a href="https://twitter.com/Hiroki_Kikuta">https://twitter.com/Hiroki_Kikuta</a>）。</p>
<h3>生演奏で作った『双界儀』の音楽</h3>
<p>――　菊田さんに最初に取材をしたときは、菊田さんがスクウェア（現：スクウェア・エニックス）に入社されるまでの活動が中心でした（編注）。今回は、菊田さんがスクウェアを離れられる直前あたりからお話をうかがえればと思います。</p>
<p>編注：ウェブマガジン「ＡｎｉＫｏ」掲載の左記インタビューを参照<br />
『ビーグル号』の総合科学者に憧れて　作曲家 菊田裕樹（第1回）<br />
<a href="http://ani-ko.com/50-kikuta01">http://ani-ko.com/50-kikuta01</a></p>
<p>菊田　分かりました。……何をどう話せばいいのか、ちょっと難しいですけどね。<br />
――　菊田さんが音楽を担当された『聖剣伝説2』『3』はスーパーファミコンでしたが、次に担当された『双界儀』はハードがプレイステーション（以下、PS）に代わりましたよね。それによって菊田さんのお仕事のされ方も変わったんじゃないかと思います。<br />
菊田　PSが登場したときって、色々な会社から大小ふくめて沢山のソフトが出たじゃないですか。ソニーが新たに立ち上げたハードだから、とにかく色んなソフトがほしいということで、それっていいことだったと思うんですよね。そこで売れようが売れまいが、とにかくいっぱい作ってもらって、そのなかからちゃんと残っていくものがでてくるのが本来の考え方だと思いますから。そういう流れのなかで色々な仕事が立ちあがってきて、じゃあどれをやろうみたいな感じになっていた頃でした。<br />
――　それで、『双界儀』をやることになったのですね。<br />
菊田　そうそう。ユークスといって、プロレスのゲームを作っていたところでね。<br />
――　あ、そうか。実制作は別の会社なんでしたね。<br />
菊田　そうです。スクウェア社内では作っていませんから。<br />
――　音楽は、スクウェアから菊田さんが参加されるというかたちだったのですね。スーパーファミコンからＰＳに変わって、『双界儀』の音楽は生演奏になりました。これは菊田さんのなかで大きな変化だったんじゃないでしょうか。<br />
菊田　僕自身の姿勢は変わらなくて、『聖剣伝説2』のときはスーファミというハードで最高のものを作ろうと思って取り組み、『双界儀』のときもPSというか、生音を流すゲームの音楽の最高峰を作ろうと思いながら物凄く気合いをいれてやりました。できる限り最高のことをやったって感じですかね。<br />
――　『双界儀』は、今も根強いファンの方がいるゲームですよね。<br />
菊田　天河（信彦）さん（※原案・監督）は今も付き合いがありますけど、彼のもっている世界観がとても魅力的でしたからね。ハード的な制約はあったものの、いい感じにゲームとして落としこめたんじゃないかと思います。<br />
――　『双界儀』のお仕事のあと、菊田さんはサクノスという会社を立ちあげて、RPG『クーデルカ』を作られます。イフの話をしても仕方ありませんが、そのままスクウェアで音楽を担当し続ける道もあったと思うのですが。<br />
菊田　うーん……。結局、音楽以外のことも色々とやりたかったんですよね。損得で言えば、スクウェアに残って音楽だけ作っていたほうが得だったかもしれないけれど、それでもやりたかった。もともとが演出をやりたいタチの人間なんで、自分なりのゲームを立ち上げて、その世界や物語も作り、その演出もしてってことがやりたくて、スクウェア社内でもあれこれ動いてみたんだけど、当時の社内の状況としておそらく難しいだろうということが分かったんですよね。<br />
――　最近だと大きなゲーム会社でも社内ベンチャーのようなかたちで小規模のチームで作られるゲームもあります。勝手ながら、そういうふうにスクウェアで菊田さん発のゲームが作られても面白かったように思います。<br />
菊田　今思えばそういう道もあったとは思うんですけどね。実際、企画書を作ったこともあったんですよ（編注：同人誌『27年目のクーデルカ』巻末に収録）。ただ、当時はそういう流れにはならなかったんですよねえ。</p>
<h3>開発会社サクノスの立ち上げ</h3>
<p>――　『クーデルカ』については、ある程度企画ができてから会社を作ろうというより、まずは何か新しいことをやろうとご自身の会社サクノスを作った感じなのでしょうか。<br />
菊田　そんな感じですね。会社を作った時点では『クーデルカ』の企画は影も形もありませんでしたから。<br />
――　そうなのですね。<br />
菊田　根回しをし、チームを作り、スポンサーから出資してもらって会社を立ちあげるというところから始めましたが、そうした水面下の動き自体はだいぶ前から動いていましたから。<br />
――　スポンサーが見つかったのは、それまでの菊田さんの実績や情熱があったゆえですよね。<br />
菊田　それはどうなんでしょうね。そこはやっぱりスクウェアという会社のネームバリューや社会的信用もあったと思いますし、自分ひとりの力では全然ないですよ。色々な巡りあわせがあって、細かく話すのは端折りますが、運や巡りあわせ、人の縁みたいなものがあって、会社を作る流れになったというのが正しい感じです。今も昔も、僕ひとりが頑張ってもどうにもなるものではないですしね。<br />
――　それでサクノスを設立されたわけですね。設立年は――。<br />
菊田　1997年。『クーデルカ』発売の2年前ですね。<br />
――　会社を設立して2年で新規のゲームをだすのは、けっこうなハイペースですよね。<br />
菊田　当時はそれぐらいのペースが当たり前だったんですよ。それに基本的にはそれぐらいのペースで作らないとゲームは駄目だとも思っていましたからね。<br />
――　時系列的なことを言いますと、『双界儀』の発売は1998年5月になります。<br />
菊田　『双界儀』のレコーディングが終わった段階で僕はスクウェアを抜けてサクノスを作っているんですよ。マスタリングのときには会社にいなくて、退職した身として立ち会っていました。……僕にとっては激動の20世紀でしたね、あのときはまだ20世紀でしたから。</p>
<h3>帰納的に設計した『クーデルカ』</h3>
<p>――　当時でた攻略本や資料集のインタビューなどで、菊田さんは『クーデルカ』を作ったきっかけを話されています。そのうえであらためて、ホラーの『クーデルカ』みたいなゲームをどうしてだそうと考えられたのか聞かせてください。<br />
菊田　20年以上経っていますから物凄くリアルなことをお話ししますと“『クーデルカ』みたいなゲーム”ってことじゃないんですよね。ゲームって帰納法的に作られなければいけないもので、要はゴールまでの道のりが決まっているんですよ。ゴールという発売日が決まっているから、制作のあれこれはそこに当てはめて考えていかないといけないんです。<br />
で、スケジュールは２年、予算はこのぐらいだとなったら、集められる人員はこのぐらいの人数と決まります。そうなると、人員の割り振りはこのぐらいで、グラフィック担当は何人でとなる。じゃあ、このグラフィック担当者たちで2年かけてどのぐらいの絵が作れるだろう……という具体的な数の話になっていくわけです。リソースとアウトプットの話になってきますから。<br />
――　なるほど。よく分かります。<br />
菊田　そうすると、RPGだったらキャラクターは何人登場させられるか、マップを何マップ作れるかが決まってきます。しかもPSでやるんだから2Dではなく3Dでやるとなると、限られたスケジュールと予算のなかで何ができるのか、大枠のふわっとした規模が見えてきちゃうんです。それをどういう風にマネージメントするかってことを考えていくと、普通のRPGみたいなものはとても作れないわけですよね。チームごと会社を移って作るわけではないし、手練れのスタッフが沢山いるわけでもない。これから育てていくような新しいスタッフとも一緒に作っていこうと考えたら、このぐらいの物量だったら大丈夫だろうという開発全体の規模感が最初にでてしまうんです。<br />
　大体マップの数はこのぐらい、これだけのマップ数でマネージメントできる物語の長さはこのぐらい。そこに何人のキャラクターをおいて、作ったマップを行ったり来たりさせて、バトルをさせ、全体でまとめる物語というのはこれぐらい……そんな風に考えていくと、大ボリュームの物語を成立させるような規模のゲームにはならないんですよ。<br />
――　いくつも世界があって、そこを旅していくような物語にはできないということですね。<br />
菊田　そういうものは、ゲームに使えないものもでるけどどんどん作って、使えるものだけ使うような状況でしかあり得ないと思います。『クーデルカ』については、作ったものをきれいに当てはめて全部使いつつ、プレイヤーに楽しんでもらうためのコンテンツを作らないといけませんでしたから、そうした余裕はありませんでした。<br />
――　だから、『クーデルカ』は修道院というひとつの舞台になっているわけですね。<br />
菊田　そういうことです。<br />
――　その修道院も、菊田さんならではのこだわりで作りこんで魅力ある舞台にしたわけですよね。<br />
菊田　これだけのマップでRPGを作るってどうしたらいいんだろうって、普通のデザイナーだったら愕然とすると思いますよ。それを成立させるために、まず場所を限定させなければいけないし、物語もそれにあったものにしなければならない。それで成立する物語って何かといったらホラーしかないんです。他のかたちでは不可能だったと思います。<br />
『クーデルカ』を作るうえで、やっぱり『バイオハザード』（※PSで第1作が1996年発売）は凄く参考になっているんですけど、ホラーの良いところって「この人がどういう人でここに来て……」というような前置きがなくても「怖い」というひとつの軸で成り立つんです。普通のRPGってそうじゃないですよね。<br />
――　そうですね。まず世界観の説明などから始まることが多いと思います。<br />
菊田　まず世界観の説明から入らなくちゃいけなくなるんだけど、僕らにはそういうことに費やすリソースはなかったんです。「なんとかの世界の中心にこれがあって……」みたいなことではなく「怖そうな建物に入ったら化け物がでて襲われた」。これだと説明は１行もなしでいいですよね。そこから、「実はこうで……」とあとから説明をすればいい。“あとから”が許されるからホラーは成立するんです。<br />
2年という期間、限られた予算、人員という今自分たちが与えられたもので戦っていくためにはジャンルはホラーしかないっていうのが当時の僕の結論でした。<br />
――　現実的な考えのもとホラーというジャンルを選択し、そこから限られた条件をあてはめることができる世界観や舞台を考えていったということなんですね。<br />
菊田　うん。そこから全部組んでいったというのが本当のところです。</p>
<p><strong>※試し読みはここまでです</strong></p>
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		<title>中村亮介と細居美恵子が同人活動で得たもの　松風工房、13年の軌跡【試し読み】</title>
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		<pubDate>Tue, 24 Dec 2024 03:03:02 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[wpmaster]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Anime]]></category>

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		<description><![CDATA[『灰と幻想のグリムガル』『あいうら』『ねらわれた学園』などのアニメーション作品でタッグを組んで仕事をしている中村亮介監督とアニメーターの細居美恵子氏は、中村監督がフリーになった直後の2011年から商業作品の制作と並行して同人活動を続けている。 松風工房（まつかぜこうぼう）というサークル名でコミックマ [&#8230;]</p><p><a class="more-link" href="http://ani-ko.com/70-matsukazekobo">続きを読む</a></p>]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>『灰と幻想のグリムガル』『あいうら』『ねらわれた学園』などのアニメーション作品でタッグを組んで仕事をしている中村亮介監督とアニメーターの細居美恵子氏は、中村監督がフリーになった直後の2011年から商業作品の制作と並行して同人活動を続けている。<br />
松風工房（まつかぜこうぼう）というサークル名でコミックマーケットやコミティアに継続的に参加し、初期の頃は2人が関わった商業作品の記録をまとめた資料集、近年は細居氏のイラスト作品集や中村監督の文章とコラボしたイラストストーリー集などを頒布している。<br />
同人誌は、書店に置かれる本や雑誌とは違って手軽に作れるところが魅力のひとつだが、松風工房の同人誌はプロのデザイナーと外部の編集者を立てるところからスタートした。印刷も同人誌専門の会社ではなく、商業出版向けの最大手である大日本印刷に依頼したことがあるぐらいのこだわりで、アニメ制作と同じように自分たちが良いと信じるやり方で同人活動にも真摯に向き合い続けている。<br />
商業と同人、2つの違ったフィールドで活動することは、中村監督と細居氏にとってどんな意味があるのか。同人活動の話題以外にも多方面に広がった2時間強の取材を、できる限り言葉にしてまとめた。中村監督や細居氏、松風工房の同人誌のファンの方に面白く読んでいただけるだけでなく、同人誌をふくめた出版制作物や創作周辺の話に関心がある方にも興味深く読んでいただけるのではないかと思う。</p>
<p><a href="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2024/12/X_2024W_01.png"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2024/12/X_2024W_01.png" alt="X_2024W_01" width="1000" height="562" class="aligncenter size-full wp-image-1302" /></a></p>
<p>※本記事は、2024年末の「コミックマーケット105」で頒布する紙の同人誌新刊『別冊AniKo（2）』に収録したインタビューの試し読みです。全体約3万7000字のうち冒頭約5000字を掲載しました。続きを読みたいと思われた方は、恐縮ながら『別冊AniKo（2）』をお買い求めください。「コミックマーケット105」2日目の2024年12月30日（月）、AniKoのスペース「月-東イ57b」で頒布するほか、松風工房「月-西た27a」でも委託頒布されます。<br />
（2025年1月3日追記）<strong>メロンブックスで通信販売中</strong>です（<a href="https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2730745">https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2730745</a>）。</p>
<p><strong>Profile<br />
中村亮介 Ryosuke Nakamura</strong><br />
マッドハウス出身のアニメーション監督・演出家。テレビアニメ『魍魎の匣』で初監督を務め、その他の主な監督作品に『青い文学シリーズ「走れメロス」』『ねらわれた学園』『あいうら』『灰と幻想のグリムガル』がある。現在、細居氏らと監督最新作を準備中。Ｘ（ツイッター）のアカウントは<a href="https://x.com/Ryousuke_Nak">@Ryousuke_Nak</a></p>
<p><strong>細居美恵子 Mieko Hosoi</strong><br />
手塚プロダクション出身のアニメーター・キャラクターデザイナー・イラストレーター。中村監督と初めてタッグを組んだのは、マッドハウス制作のテレビアニメ『逆境無頼カイジ Ultimate Survivor』第13話。2017年に自身の仕事を集めた画集『細居美恵子アートワークス』（パイインターナショナル刊）を上梓。ライトノベルやゲームなどのイラストも多く手がけている。Ｘ（ツイッター）のアカウントは<a href="https://x.com/hosoimieko">@hosoimieko</a></p>
<h3>原画の「線」への憧れ</h3>
<p>――　今日は、中村さんと細居さんがやられている松風工房の活動についてじっくり伺いたいと思います。<br />
細居　私たちの同人活動についてまとまって聞いていただける機会はなかなかないと思うので有難いです。言われてみると、もう13年近くやっているんですよね。良い機会をいただいたので、なぜ同人活動をやっているのか「そもそも」を考えたんですよ。そのひとつに、アニメーションの原画というものを本として残せるといいなという気持ちがまずありまして。私は原画の線が好きなんです。線にこだわりがあって、それはなぜかと振り返ってみると、自分が手塚プロ（※手塚プロダクション）出身だからというのが大きくて。入社してすぐの頃、出﨑統監督の作品をよくやっていて、ハーモニーという処理があるんですよ。ご存じかもしれないですけど1枚の絵を――<br />
中村　きっとハーモニーを、ご存知ではと思います（笑）<br />
――　知らない読者もいると思いますので、ハーモニー処理の説明からお願いできるとありがたいです。<br />
細居　ハーモニー処理というのはセル画を絵画タッチに見せる特殊カットのことでして、ハーモニー用に描かれた絵画タッチの線画を動画マンが清書するのですが、そのときの線が独特なんです。通常の動画の線とは違っていて、原画マンさんの思いのこもった線を清書するのは責任が重く、ハーモニーの動画は外に出せないからと社内の動画担当者がやるのが決まりでした。なので、最初の1年はほとんどハーモニーの動画をやることが多く、動きはあまりやれなかったんですよ（笑）<br />
自分はアニメの技術をほとんど知らないまま手塚プロに入りまして、動画の線を先輩方に見ていただくと、「この原画を描いた人の気持ちになりきらないと駄目だ」と精神面みたいなことから指摘され、そうかと思いながら一生懸命、線をなぞっていた思い出があるんです。なので、そのときから線へのこだわりというのを感じていました。もうひとつ、手塚プロに入社してしばらくした頃に、アニメスタイルさんで原画を絵として見るという特集をやられていて、カラーの複製原画がついてたんですよ。<br />
――　ページの途中に蛇腹状にたたまれて入っていたやつですね（※2000年刊行の『アニメスタイル第1号』の特集「アニメの画を考える」）。<br />
細居　そうした同人活動の前史となるような背景もあって、原画の線への憧れが非常に高まっていまして。松風工房の活動をする前に、そういう経験があったなあということを思い出しました。<br />
そもそもアニメの原画は中間素材ですから、作品が終わったら捨てるのが当たり前でした。作品が終わった3カ月後ぐらいにはもう原画は捨てられてしまう。制作の子から「細居さんの原画をもらったんです」なんて話を聞くと、嬉しいと同時にちょっと悲しくもなるんですよね。頑張って描いて、当然それは最終的に映像になって残るからいいというのもあるんですけど、やっぱり紙に描いた自分の線への思いというのは別にあり、そこがちょっと残念だなと。なので、何かのかたちで残したいなという気持ちがあったんですね。<br />
その後、中村さんとお仕事をするようになって、『メロス』（※『青い文学』シリーズ『走れメロス』2009年放送）をやったあとに、どういう流れでそういう話になったのかは忘れましたが、中村さんと原画をとっておこうみたいな話になったんですよ。そのときに、当時マッドハウスにいた武井さんも同席してくれていて。<br />
武井風太（以下、武井）　ちょうどあの頃、日本動画協会さんが倉庫を借りられて、そこにマッドハウス作品の原画を置かせてもらうといった話が出てきていたんですよ。と言っても、残す作品とそうでない作品があったんですけれど。それができたのは大事なものは残していこうみたいな考え方になっていた時期だったからだと思います（編注）。</p>
<p>編注：武井風太氏は、元マッドハウス広報のライター・アニメ脚本家。近年の主な仕事に『ループ7回目の悪役令嬢は、元敵国で自由気ままな花嫁生活を満喫する』で各話脚本・文芸、『映画大好きポンポさん』で文芸、『地球外少年少女』でオフィシャルライターを担当。中村監督と細居氏によるアニメ関係の企画に長年協力し、松風工房の同人活動にも編集として初期から携わっているため、オブザーバーとして取材に同席してもらった。</p>
<p>細居　『メロス』に関して言うと、残したい気持ちはあるものの、ではどうするかという話になったとき、最終的に中村さんのご自宅に置かせてもらおうと。……ちょっとグレーな話かもしれませんが。<br />
――　まあ基本的に捨てられる中間素材ですから。<br />
細居　そうなんです。どうにか残せればというところ、中村さんが引き取ってくれると。そのときにさすがに全部はきついので、原画や修正などだけ残そうと選別するときに武井さんにも立ち会っていただき、たしかそのときに武井さんと初めてお会いしたんです。そのときは同人誌にしようとかではなく、ただ保存しておこうという話だったんですけれど。<br />
中村　『メロス』はテレビシリーズ2話分でした。それならぎりぎり置ける量かなと。とはいっても1話数につき、本棚1個分ぐらいの物量があるわけですけど。<br />
原画を生で見る喜びというのは、僕も特別なものと思っていて。特に実際の線の味は、原画でなければ感じられない、画面にはそのまま出てこないものなんで。だから素晴らしいアニメーターの線を生で見られる喜びは、演出家目線では、なんだか自分だけの特別な贅沢みたいなものなんです。できればそれをもっと多くの人にも見て欲しいとも思う。だからアニメスタイルさんがやってきたような仕事も、僕はとても好きでした。共感しています。<br />
『メロス』は丹精こめて作った作品だったんで、原画を捨ててしまっては、あとできっと後悔することになると思った。それで実家に頼みこんで、今でも置かせてもらっています。けっこうな物量なんで、だいぶ迷惑だとは思いますけれど（笑）<br />
――　同人活動を始める前に、お2人のなかで原画の線への思いがあったと。<br />
細居　あと、結城信輝さんがすごく素敵な原画集を同人誌として出されていて、いちファンとしてああした綺麗な原画集というものに大変な憧れがあったことをここで白状しておきます（笑）<br />
中村　僕はコミケに行ったことがなくて。仕事場で机が隣のアニメーターと雑談していたら、彼が持っていた結城さんの原画集を見せてくれて。うわーこれは良いなあと。そもそも1枚の絵として良いし、本のデザインとかまとめ方にもいちいち愛がこもっていて、ちょっと感動ものでした。<br />
細居　アニメの画面として出る動画の線とは違って、素晴らしい原画には本当に1枚の絵としての素晴らしさがあるんですよね。そうした思いが、まずあったという感じです。<br />
中村　僕は速い線が好きなんです。もちろん、ただ速いだけの雑な線はいけない。たとえば書道の線も気力を充実させて一気に書きますよね？　気力を高める時間のほうが、実際に書いている時間よりも、きっと書道家にとっては長いんじゃないかと思う。<br />
原画の線にもそれに似た魅力を感じます。時間がないなかで描いているのも、この場合はかえって良くて。その迷いのなさ、決断力、勢い、線にこめられた決意と自信に、惚れ惚れとするんです。アニメーターの絵は本当にすごいんです。<br />
細居　速いというより、研ぎ澄まされた感じといいますか……。<br />
中村　研ぎ澄まされてますよねー。ストロークも長いんです。画面を端から端まで、一つの線が横断しているときすらある。そうした線が呼び起こす感動というものを、表現する言葉が自分にはなかなか見つからないけれど。確信をもって筆を運ぶ、無心な精神状態というか。そういう言葉にならない何ものかが、線を通して伝わってしまうんだと思います。<br />
細居　私自身は線の速さにはそれほどこだわりはないのですが、最初の体験として、手塚プロにいたときに杉野昭夫さんの原画を見た感動が大きいです。杉野さんの原画やそのコピーがスタジオ内にたくさんあって、OVA『ブラックジャック』の原画など非常な色気があって、見たときに圧倒されるような思いになりました。<br />
杉野さんの原画は他の人がトレースするとどうしても何かが抜け落ちてしまって、その人が引いた線にこもる何かというのが、もうあるとしか言いようがないんですよね。そうした生の線にふれる機会が手塚プロの頃には多くありました。今日はあくまで鉛筆の線ということでお話ししていますけれど。<br />
中村　デジタルだと、線という意味では、かつてのような表現はもう難しいのかもしれませんが。<br />
細居　デジタルの場合は、また違うかたちで何かがこもっているのだと思います。それは単純に鉛筆とデジタルという画材の違いのようなものだと思っていて、どちらが良いかという話をするつもりはないのですけれど。</p>
<h3>そもそもの同人誌のあり方</h3>
<p><a href="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2024/12/matsukaze01.jpg"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2024/12/matsukaze01.jpg" alt="matsukaze01" width="516" height="730" class="aligncenter size-full wp-image-1316" /></a></p>
<p>――　松風工房の同人誌1冊目はミュージッククリップ「Perfect Day」（編注）の制作資料を収録したものでした。そもそもなぜ同人誌を始めようと思われたのでしょうか。<br />
中村　フリーになって心機一転、何か新しいことを始めてみたい気持ちはありました。そのひとつに、自分たちの仕事を同人誌として残せたらと。<br />
映像の仕事は、当時の感覚では、それが公開された一瞬だけのものでした。もちろん観てくださった人の心には、ずっと残っていくものなのかもしれない。そうなれば嬉しいとは思いつつ。でも現在のように昔の映像が配信などで長く観続けてもらえる環境になるとは、当時は思ってもみませんでした。<br />
だから原画集という形で、自分たちの仕事のあかしを残せればと思いました。完成した完成映像が時とともに消えてなくなってしまっても、本という形あるものでそれだけは残る。その映像を作っていた日々だけは残るというか。自分が手にとって開けば、その作品を作っていた日々をすごく思い出すものなんです。そういう意味では、現代は幸せな時代になったとも思います。<br />
まず最初に、関係各所へ許可をとります。当時はメーカーやアニメスタジオが原画集を作る時代でもなかったし、うちでは出せない（元が取れない）のでどうぞどうぞって感じで。お話ししたように、原画などの中間素材は廃棄前提のものでしたから。実際のところ、そこまでの愛がなければ置いておくと場所に困る物量のものではありました。</p>
<p>編注：「Perfect Day」は、supercellのアルバム『Today Is A Beautiful Day』に収録された楽曲。中村監督と細居氏は同曲のアニメMVを手がけ、その映像はアルバムの初回生産限定盤に収録された。なおsupercellは、中村監督が手がけた劇場アニメ『ねらわれた学園』のオープニングテーマ「銀色飛行船」を手がけている。</p>
<p>細居　私は最初の同人誌を作ったとき、とてもよく覚えていることがあります。同人誌には色々なやり方があって、同人誌だからもっと簡素な形で手作り感あふれる形でだすという選択肢もありますよね。そうするといいのではというアドバイスも実際あって、私も最初そのほうがいいのかなと思ったんです。そこでガツンと「そうじゃない」と言ったのは中村さんで、絶対に格好いい綺麗な形の本にしなければならないと。だから、当時メタモにいらっしゃったデザイナーの渡部岳さんに頼むし、編集は武井さんにお願いする。ちゃんとした本としてまとめなければならないと言ったのは中村さんだったのをハッキリ記憶していて、当時の私にはそれがけっこう衝撃的だったんです。<br />
中村　衝撃的だったというのが衝撃です（笑）<br />
細居　自分は同人誌の“型”のようなものがあると思っていて、そこに自然と沿おうとしていたんです。でも、そうではなくて、やっぱりこのように作らなければならないというような固い意志があることに感動すら覚えまして。<br />
――　細居さんが言われること、よく分かります。自分たちができる範囲でやって手軽に完結させられるのが同人誌の良さでもありますよね。そこに編集も入れて、デザインもプロのデザイナーに頼むというのは、スタートとして大きな違いだったと思います。中村さんのなかでは、最初からそのように考えられていたのですね。<br />
中村　コミケの文化に自分が触れてこなかったのが、いちばん大きな理由なんでしょうね。「Perfect Day」の同人誌を手売りしたのが自分のコミケ初体験ですから。つまり、常識をよく知らなかった（笑）。自分がお客さんなら、どういう体験を欲しいと感じるか。単純に、そこだけにフォーカスした意見でした。<br />
細居　何も知らないからこそ、そこでどういうものだろうと調べてあわせるやり方もあったと思うんです。ただ、中村さんはそうせずに、やっぱり自分の作りたい本をちゃんと形にせねばならないというやり方を選んだ。それこそがそもそもの同人誌のあり方なように思いますし、自分たちで出すということはそこから考えることなんだよなと。そうした姿勢に、当時の私は感動したんだと思います。<br />
中村　本当に無知だからこそ言っていたんだと思います（笑）<br />
細居　いえいえ。中村さんは自然に考えられたのだと思いますが、自分はそこであらためて揺らぎやすいところもある人間なのだなと感じましたから。</p>
<p><strong>※試し読みはここまでです</strong></p>
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		<title>竹熊健太郎が振り返る『エヴァ』と90年代【試し読み】</title>
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		<pubDate>Tue, 24 Dec 2024 03:00:45 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[wpmaster]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Anime]]></category>

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		<description><![CDATA[テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』（1995～96）は、2025年で放送開始30年をむかえる。最終回の第26話「世界の中心でアイを叫んだけもの」は放送当時大変な物議をかもし、今で言うところの“大炎上”をまきおこした。 そんな渦中にある庵野秀明監督へのインタビューを企画したのが、『サルでも描けるま [&#8230;]</p><p><a class="more-link" href="http://ani-ko.com/69-takekuma">続きを読む</a></p>]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』（1995～96）は、2025年で放送開始30年をむかえる。最終回の第26話「世界の中心でアイを叫んだけもの」は放送当時大変な物議をかもし、今で言うところの“大炎上”をまきおこした。<br />
そんな渦中にある庵野秀明監督へのインタビューを企画したのが、『サルでも描けるまんが教室』で知られる編集家の竹熊健太郎氏だった。大泉実成氏と実施した『クイックジャパン』での庵野監督ロングインタビューは雑誌が完売するほどの話題となり、のちに『庵野秀明 スキゾ・エヴァンゲリオン』『同 パラノ・エヴァンゲリオン』として書籍化もされた。<br />
当時の『エヴァ』の一級の資料でもある『ＱＪ』のインタビューは、どのような経緯で成立したのか。Facebookで繋がっている竹熊氏に左記のような依頼状（※同人誌には掲載）を送ったところ、「現在、私は庵野監督とは疎遠であり、おそらく庵野氏には迷惑な取材かもしれません。その上で、当時のことを私の立場で語るのであれば、お引き受けします」という前提で取材を請けていただいた。<br />
『エヴァ』の話題から始まったインタビューは、竹熊氏が現在取り組んでいる「ベラドンナ原画復元計画」（編注）に始まる新たな自主出版計画の展望や新たな創作の構想、1990年代当時のサブカル・オタクライターとの交友関係など、さまざまな方向に広がった。それらはすべて関連があり、約30年前の過去と現在を繋ぐ貴重な内容になった手ごたえがある。けれど、はっきり申しあげて、このインタビューを完全に楽しむには前提条件が多く、そのすべてを誌面で説明することはできない。当時の『エヴァ』ファン、庵野監督のファン、そして竹熊氏のファンに楽しんでいただければと思う。</p>
<p>編注：「ベラドンナ原画復元計画」は、1973年に公開された虫プロダクション最後の長編アニメーション映画『哀しみのベラドンナ』（監督：山本暎一、美術：深井国）の失われた美術原画を、原画作者の監修のもとに復元し、アート作品として蘇らせるプロジェクト。クラウドファンディング第1弾では目標金額300万円の2倍を超える約695万円が集まった。豪華画集制作に向けた第2弾クラウドファンディングは近日開始予定。最新の情報は下記のポータルサイトまで。<br />
<a href="https://mavo.pub/">https://mavo.pub/</a></p>
<p><a href="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2024/12/X_2024W_02..png"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2024/12/X_2024W_02..png" alt="X_2024W_02." width="1000" height="562" class="aligncenter size-full wp-image-1303" /></a></p>
<p>※本記事は、2024年末の「コミックマーケット105」で頒布する紙の同人誌新刊『別冊AniKo（2）』に収録したインタビューの試し読みです。全体約2万5000字のうち冒頭約4000字を掲載しました。続きを読みたいと思われた方は、恐縮ながら『別冊AniKo（2）』をお買い求めください。「コミックマーケット105」2日目の2024年12月30日（月）、AniKoのスペース「月-東イ57b」で頒布するほか、松風工房「月-西た27a」でも委託頒布されます。<br />
（2025年1月3日追記）<strong>メロンブックスで通信販売中</strong>です（<a href="https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2730745">https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2730745</a>）。</p>
<p><strong>Profile<br />
竹熊健太郎 Kentaro Takekuma</strong><br />
1960年生まれ、東京都出身。文筆家・編集家、ウェブ漫画雑誌『電脳マヴォ』編集長。主な著書に、『サルでも描けるまんが教室』（相原コージ氏と共著）、『私とハルマゲドン　おたく宗教としてのオウム真理教』『箆棒な人々　戦後サブカルチャー偉人伝』『マンガ原稿料はなぜ安いのか？』『フリーランス、40歳の壁　自由業者は、どうして40歳から仕事が減るのか？』など。X（Twitter）アカウント<a href="https://x.com/kentaro666">＠kentaro666</a></p>
<p>――　依頼状にも書かせていただいたとおり、私は大学時代に竹熊さんが『クイックジャパン』（以下、『ＱＪ』と略）でやられた『エヴァ』の庵野（秀明）監督インタビューを読んだことをきっかけに、アニメに関する仕事をするようになった人間です。今日は『ＱＪ』の庵野監督インタビューがどのような経緯で実施されたのかを中心に伺えればと思っています。取材のきっかけは、1996年の5月に吉祥寺で庵野監督に偶然会ったことだったそうですね。<br />
竹熊　テレビシリーズの放映が終わった1カ月後ぐらいですね。放映中は僕、『エヴァ』は観てなかったんですよ。放映後にちょっと観てみようと思って友達からエアチェックしたビデオを借りて全部観てそれでハマったんです。<br />
――　５月に庵野監督と会った時点で、『ＱＪ』でインタビューができる目算があったわけですよね。<br />
竹熊　庵野監督と会う前から、僕と一緒にインタビューをした大泉（実成）さんも『エヴァ』にハマっていて、一緒に盛りあがっていたんですよ。僕と大泉さんは当時、赤田（祐一）編集長時代の『ＱＪ』のメインライターで、それもあって2人で赤田君にインタビューをやろうと推したんです。赤田君は『（宇宙戦艦）ヤマト』ぐらいまではアニメにハマっていたんだけど、それ以降は興味がなくなっていて、むしろアニメは嫌いなほうだったんですね。いわゆるオタクとサブカルでいうと、ややサブカル寄りっていうか。ただ、僕と大泉さんがあまりに熱心に勧めるんで、ちょっと観てみようかという話になり、僕のアパートに2日間缶詰めになってもらって、まずは僕がセレクトした『エヴァ』のさわりの流れを観てもらった。赤田君は最初のほうは辛そうに観ていたんだけど、当時物議をかもした最後の25、26話になると目が輝いて、これは面白いと。普通のアニメオタクとは真逆の反応で、そこが面白かったんですね。<br />
赤田君は庵野監督のインタビューに全部立ち会ってくれたんだけど、インタビューが終わったあと、すごく暗い顔をしていたんです。なぜかというと、「今、庵野さんのようなインタビューがとれるミュージシャンはいない」と。赤田君はもともと音楽系の編集者だから、庵野さんのことをそんなふうに彼は評価したのね。「今あそこまでの自己表現をして、自分を全投入するようなミュージシャンはいない」と言うわけ。まあ僕も庵野さんのそうした姿勢に賛同したわけなんだけど。<br />
テレビシリーズの『エヴァ』って作画が終盤ヘロヘロになっている回もあるんだけど、とにかくテンションが高いじゃない。こんなテレビ番組はちょっと観たことないと思ったし、勝手ながら『サルまん（サルでも描けるまんが教室）』ぽいものを感じたんですね。庵野さんと僕は同い年で、同世代ということもあったから。<br />
――　最終回で綾波（レイ）が食パンをくわえながら「遅刻、遅刻」みたいに駆けるところとかそうですよね。<br />
竹熊　あのへん『サルまん』だよね。たぶん意識していたと思う。『エヴァ』の作り方って『サルまん』の「とんち番長」みたいなところがあるなと思っていて、作者の側がどんどん追い詰められていって、最終的に作品そのものが壊れるっていう。<br />
――　たしかに「とんち番長」のサッカーの話が電波回になって、作中の竹熊と相原が壊れてしまうエピソードがありました。<br />
竹熊　そのへんでもすごく共感した部分があって、僕と相原（コージ）君が『サルまん』をやってたときはこうだったなってね。で、結局、『エヴァンゲリオン』は最後をあのラストにしたことで生き残ったんですよ。適当にって言ったらあれだけど、多少クオリティは下がるけれど、普通のアニメとして終わらせることは十分可能だったと思うし、普通はそっちを選択するんですよ。それが中途半端なものを出すぐらいだったらと、（碇）シンジをパイプイスに座らせて会話させる、あのカルトセミナーみたいなかたちで終わらせることを選んだ。エンタメのアニメーションとしては、まあ失格なんだけど、表現として、あれはありだったんですよね。最終的に話題にもなりましたから。</p>
<h3>作り手の人生を聞くインタビュー</h3>
<p>――　当時、竹熊さんは岡田斗司夫さんと対談の連載をされていて、その対談の帰りに庵野監督と偶然会って、そこでインタビューが決まったそうですね。<br />
竹熊　そうなんですよ。岡田さんと僕が対談していたホテルから出て吉祥寺の道を歩いていたら、向こうからどこかで見たような顔をした背の高い人が、作曲家の田中公平さんと2人で歩いてきて。お互い「あっ」て感じになって、僕から「よかったら食事でもしませんか」と誘って、そこで話が盛りあがって意気投合したんです。その横には岡田さんもいて、ちょっと憂鬱な顔で座っていたんだけど、岡田さんからすれば僕が庵野さんに近づくのは悪夢だったんだね。これは、あとで分かったんですけどね。<br />
庵野さんには、実は僕は今、『クイックジャパン』というサブカルチャーの若者雑誌で記事を書いていて、そこでインタビューをお願いできますかという話をして、その場でＯＫだった。これもあとから分かったことですけど、当時の彼はアニメマスコミにうんざりしていたようなのね。『アニメージュ』や『ニュータイプ』のようなアニメ雑誌の通り一遍の記事づくりにうんざりしていたところで、そこにアニメとはまったく畑違いのサブカル雑誌から取材依頼がきたっていうんで、庵野さんとしても、むしろ待ってましたみたいなところはあったみたいです。そんな経緯であのインタビューは実現したんだけれど。<br />
――　『クイックジャパン』のインタビューをあらためて読むと、ノンフィクションライターの大泉さんと２人で話を聞くかたちがよくて、それでこれだけの話が聞けたのかなと思います。<br />
竹熊　大泉さんはあの頃、オウム真理教への潜入取材をやっていたんですよ。信者として中に入って内側から取材していた。そうした潜入取材を得意とするノンフィクションライターでしたから。<br />
当時の大泉さんは、精神的にすごく追い詰められていた。オウムの信者になって入りこんでいるから、公安警察にもマークされていてね。夜中に大泉さんと電話をしていたら、いきなり彼が怒鳴るから何かと思ったら、「今公安が盗聴してます」なんてこともあって、それぐらい追い詰められた状況だった。そんなときに『エヴァンゲリオン』を観て、彼としては綾波レイに救われたというわけ。綾波に救われるっていうのは、どうかしてると思うんだけど（笑）、そんなわけで大泉さんと2人でやろうと。大泉さんが赤田編集長を説得してくれなかったら、あのインタビューは成立しなかったですからね。で、最初にインタビューした号（※第9号）は完売したんですよ。これには赤田君もビックリして、「もう一回やりましょう」ということになった。<br />
――　最初のインタビューは、何時間ぐらい取材したのでしょう。<br />
竹熊　１回のインタビューで、たぶん5時間はやったよね。2回目とあわせたら、たしか10時間ぐらいやっていて、かなりたっぷりやることができたんです。で、僕らはアニメメディアが聞くような項目ではなく、庵野さんの人生を聞くようなことをやったわけ。ああいう内容、おそらく当時のアニメ雑誌ではなかったんじゃないですかね。一方、音楽雑誌のミュージシャンのロングインタビューだと、そのミュージシャンの人生の話を聞くのは普通じゃないですか。つまり、作品も面白いんだけど、その面白い作品を作ったクリエイターはどんな人かっていうのを読者は知りたいと思うんです。『ＱＪ』では、それを聞いたわけですね。庵野さんと僕は同い年で、大泉さんも同世代だから、観てきたアニメやテレビ番組、映画などが一致して、それもあってわりと上手くできたっていう。そもそも僕も大泉さんもそこまでのオタクじゃないんで、極度にマニアックな質問はしなかったんですよ。それも良かったのかもしれない。<br />
――　今読み返しても、庵野監督も覚悟をもって、ちょっと普段は話さないことを話しているっていう雰囲気がすごく伝わってきます。<br />
竹熊　最初の号では、僕も原稿を書いているよね（※『パラノ・エヴァンゲリオン』の巻末にも収録された「私とエヴァンゲリオン」）。これは、僕なりの当時の『エヴァンゲリオン』の感想です。まあ、そういう記事をやって、それが完売したっていうんで、もう一回やりましょうと赤田君のほうから企画をだしてきて。僕としては「またやるのか」と思ったんだけど。<br />
――　ああ、そうなんですね。<br />
竹熊　で、庵野さんに聞いたら「やりましょう」となって、今度はもうちょっと突っこんだ話をしましょうかと。<br />
――　編集長の赤田さんが、それぐらい推されたこともあって、庵野監督が表紙になったんですかね。<br />
竹熊　そう。庵野さんを表紙にしましょうというのは赤田君の判断ですよ。撮影前に庵野さんは美容院に行って、（『ＱＪ』第10号の表紙を見ながら）こういう表紙を撮って。まあ大サービスですよね。それでインタビューを2回やったんで、これ本にしましょうかってことになったんです。一回一回、相当聞いてますからね。</p>
<p><strong>※試し読みはここまでです</strong></p>
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		<title>アニメ監督はどう生きるか。アニメファンは作品をどう観るか。【試し読み】アニメーション監督 渡部高志</title>
		<link>http://ani-ko.com/68-watanabe</link>
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		<pubDate>Fri, 09 Aug 2024 13:09:13 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[wpmaster]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Anime]]></category>

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		<description><![CDATA[「昨年コンテと演出だけやってたとしたら年収120万」「別に業界から放逐されたとて俺はもうアニメに未練はない」。『スレイヤーズ』テレビシリーズ、『灼眼のシャナ』シリーズなど数多くの作品で知られるアニメーション監督の渡部高志氏は、Twitter（現X）で日々の暮らしや過去の仕事の思い出話とあわせて、ユー [&#8230;]</p><p><a class="more-link" href="http://ani-ko.com/68-watanabe">続きを読む</a></p>]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>「昨年コンテと演出だけやってたとしたら年収120万」「別に業界から放逐されたとて俺はもうアニメに未練はない」。『スレイヤーズ』テレビシリーズ、『灼眼のシャナ』シリーズなど数多くの作品で知られるアニメーション監督の渡部高志氏は、Twitter（現X）で日々の暮らしや過去の仕事の思い出話とあわせて、ユーモアを交えながらご自身の近況に関する赤裸々な投稿を続けられている。<br />
なぜ、渡部監督はこのような投稿をされているのか。直接会ってお話を聞いてみたいと思い、左記のような依頼状（編注：紙の同人誌『別冊AniKo』には掲載）をDMでお送りして快諾いただいた。約2時間半うかがった内容を、可能なかぎり取材時の雰囲気のままお届けする。</p>
<p><a href="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/X_2024SS_A_re.png"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2024/08/X_2024SS_A_re-1024x576.png" alt="X_2024SS_A_re" width="1024" height="576" class="aligncenter size-large wp-image-1286" /></a></p>
<p>※本記事は、2023年末の「コミックマーケット103」で委託頒布した紙の同人誌『別冊AniKo』に収録したインタビューの試し読みです。全体約52000字のうち冒頭約8000字を掲載しました。続きを読みたいと思われた方は、恐縮ながら『別冊AniKo』をお買い求めください。「コミックマーケット104」2日目の2024年8月12日（月・祝）、AniKoのスペース「月-東ウ04b」にて頒布するほか、メロンブックスでも通信販売中です（<a href="https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2259028">https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2259028</a>）。</p>
<p><strong>Profile<br />
渡部高志 Takashi Watanabe</strong><br />
1957年、北海道生まれ。東海大学芸術学科在学中の1978年頃からトップクラフトでアニメーターの仕事をはじめ、1984年頃に海外合作作品で初演出、テレビシリーズ放送開始前年の1987年に単発で放送されたテレビスペシャル『キテレツ大百科』で監督デビュー。監督作品は『ミラクルジャイアンツ童夢くん』、『スレイヤーズ』（テレビシリーズ）、『灼眼のシャナ』シリーズ、『ロスト・ユニバース』『宇宙海賊ミトの大冒険』『RAVE』『一騎当千』『緋弾のアリア』など多数。X（Twitter）アカウント@TkashiWatanabe（<a href="https://x.com/TkashiWatanabe/">https://x.com/TkashiWatanabe/</a>）</p>
<p>――　ご依頼状にも書かせていただいたのですが、Twitterで書かれている内容がすごくちょっと……面白いと言ったら――<br />
渡部　（吹き出す）（笑）。<br />
――　語弊があるんですけども、本当に赤裸々に書かれているなと読んでおりました。今のアニメ業界のリアルな部分の一端を書かれているのではないかなとも思いまして、今日はいろいろお話をうかがわせてください。<br />
渡部　そういうふうに気づいていただけるとうれしいですね。同業のアニメ監督さんでTwitter――今はXですか――をやられている方も多いと思いますが、私が見ている範囲では真面目な発言をされている方が多い印象で、作品の公式Twitterとあまり差がない気がしまして。なので、自分がやるのならば、せっかくですから差別化して展開できたらなとは思っていたんですけれど。<br />
――　渡部監督は、2020年2月からTwitterをはじめられています。そもそもどうしてやろうと思われたのでしょうか。<br />
渡部　カミさんが先にはじめていたんですよ。「カミさんが」なんて言うと、『（刑事）コロンボ』みたいですけど（笑）。Twitterでも何度か書いていますが、私は（アニメ）業界内で人づきあいが広いほうではなくてですね。ちょうどその頃、まあありていに言えば仕事がなくなったんです。厳密にはいろいろあったんですが、それがいちばん分かりやすい表現だろうと思います。それでカミさんが、「Twitterをはじめたら、何かしら世界が広がるんじゃないの」とアドバイスをしてくれまして。<br />
――　先にはじめられていた奥様から勧められたのが、きっかけだったのですね（編注：渡辺監督の奥様はアニメーターの宮田奈保美氏。Twitterのアカウントは@NaolinMiyata（<a href="https://x.com/naolinmiyata">https://x.com/naolinmiyata</a>））。<br />
渡部　全然ほめられた動機ではないんですけどね。どうせ誰も私のことなんて知らんだろうと思って書きだしたらけっこう広まってしまってビックリしました。すごいですね、SNSって（笑）。<br />
ただ、書くさいには自分のなかで制限がありまして、いわゆる守秘義務というものがありますよね。現在進行形の仕事についてはまったく書けませんが、あとはもうほとんどが自分のお気持ちなので、私の気持ちには誰も文句はつけようがないだろうというところからはじめた感じです。<br />
――　まさに今言われたことは読んでいて感じたところでして、自由に書かれているようで、本当にまずいことは書かれていないなとも思っていました。今おっしゃられた現在進行形のお仕事への配慮もそうで、今は一部のフリーのアニメーターの方などのほうがけっこう書かれている印象があります。<br />
渡部　たしかに、アバンギャルドにやられている方もいますよね。<br />
――　読んでいて、はたしてどこまで合意をとったうえで書かれているんだろうと思うときがあります。僕の印象ですと、アニメ業界と違ってゲーム業界はそのあたりすごくカッチリやられている印象で。<br />
渡部　（ゲーム業界は）厳しいんですよ。<br />
――　例えば、末端のスタッフの方が発表前に『ドラゴンクエスト』の新作をつくっていることをTwitterに書いたら、それこそ株価に影響するぐらいのことですものね。<br />
渡部　それは大変なことになりますよね。<br />
――　アニメ業界も、以前よりはいろいろと気をつけられるようになってきていると思いますが、それでもナチュラルに発表前の情報がでてしまうときもある印象です。<br />
渡部　昔はけっこうもれていて、それで何度か企画が座礁しかけたという話を聞いたことがありますよ。<br />
――　そんななか渡部監督のツイートは、赤裸々ではあるものの、具体的なエピソードは関係者の人も気にされないであろうだいぶ過去のものばかりですよね。また、さきほどお気持ちとおっしゃられましたが、人によっては本当に気持ちをはきだすだけのツイートで、読んでいる人には何を言っているのか分からないということもよくあります。Twitterの使い方として、それが正しいとは思うのですけれど、そういう書き込みは読んでいてモヤモヤします。<br />
一方、渡部監督のツイートはお気持ちであっても、ちゃんと人に伝えたいというか、何かしらのメッセージを知らしめたいという意図が感じられました。こういう言い方をしていいかどうか分かりませんが、きちんと演出されているというふうに思いまして。<br />
渡部　ああ、分かってくださっている。ありがとうございます。実は、アホなことを書いているつもりでも、無用なところに支障が行かないようには配慮しているつもりです。そのうえで、自分の心情はドッとだす。Twitterって本来そういうツールなのかなと思っていて、そこに徹しているというところです。わりとアホめなことも書いていますが、よくよく事情を知っている人が読めばなるほどと思っていただけることも案外と多いんじゃないかと思います。<br />
――　そういう意味では、実はものすごく高度なSNSの使い方をされているんじゃないかと思います。純粋に読んでいてすごく面白いですし。<br />
渡部　自分で言うのもなんですけど、面白いですよね（笑）。Twitterを読んでもらっている人からは、よくそう言われます。まあ、昔だったら壺に向かってわーっと言って穴をほって埋めるようなことばかり書いているんですけど。<br />
ただ、やっぱり書いていて思うのは、一般の……と言ったら失礼かもしれませんが、アニメ業界外のわりと事情通の方々でも意外と知らないことは多いということです。ようは知っているつもりになっていて、その知識でもって語る。それがどうも我々業界内部にいる人間からみると少しずれているっていいますかね……たしかにそうなんだけど、実のところはそうでないんだっていう。まあ、その核心の部分はさすがに私も書けないんですけども、本当はそうじゃないんですよということを、私のTwitterから感じとってほしい気持ちもあります。ぶっちゃけて言いますと、実は私、ネット歴は長いんですよ。<br />
――　かつて、ご自身のサイトも運営されていたそうですね。<br />
渡部　インターネット黎明期の前のパソコン通信の時代からやっていました。ニフティは有料だったので、草の根BBSと呼ばれていたもので「アニメ業界とは」みたいなことを書いていまして。まあ、クローズドな世界なのでさほど話題にはなりませんでしたが、パソコン通信の専門雑誌で特集していただいたことが何回かあったと記憶しています。<br />
――　その頃から、アニメ業界について発信されていたのですね。<br />
渡部　遠い昔のことなので、細かいことは忘れてしまいましたけれど。あともうひとつ、渡部高志と言えば当然「ヤシガニ」なんですよ、もうご存じのとおり（編注：テレビアニメ『ロスト・ユニバース』第4話「ヤシガニ屠る」）。で、当時は今みたいに個人が情報を発信するSNSみたいなサービスはなかったので、アニメーションというのは全部監督がつくっているものだと誰もが信じていて、「監督がしでかした」ということになり、面白おかしくワーッと私に対する非難が――今の言葉でいえば炎上ですね。たぶん日本で最初にアニメーション業界で炎上したのは私です（笑）。<br />
――　そうかもしれないですね（編注）。</p>
<p>編注：インタビューをまとめながら、テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』最終話をきっかけに、一部のファンから庵野秀明監督に非難が集まったことも今でいう炎上だったのかもしれないと気がついた。『ロスト・ユニバース』の炎上とは性格が違うと思うが、時期としては『エヴァ』のほうが先なので付記しておく。</p>
<p>渡部　もう25年も前の話になりますが、その頃の炎上というのは基本的にネットではなくて電話攻撃なんですよ。テレビ局に苦情の電話が殺到したというようなかたちであらわれ、テレビ局経由で私のほうに非難がごうごうと集まるという。それで、本当の内情というか、なぜああなったのか、何がどうしてこうなったんだということを、事実のみのかたちで自分のホームページに書いたんです。事実といってももちろん当事者である私が一方的にしゃべるだけで、第三者の検証もありませんから、今の基準にあわせれば問題は多々あったかもしれません。それでも、これまで伏せられていたアニメ業界のああした内情をインターネットで初めて発信したのはたぶん私です。<br />
――　当時の発言の一部は、インターネットのアーカイブに残っていますね。今日ちょっと読んでからうかがいました。<br />
渡部　そうですか（笑）。その私の発言にたいして、インターネットだけでなく、当時あったパソコン通信のアニメ会議室系列などからもご批判やご意見が、応援や賛同もふくめて多数よせられました。ようは、現在のSNSと何も変わらないことを、すでに25年前に体験しているんです。あのときは“炎上先駆者”として、いろいろな思いを味わいました。<br />
当時私は、『猫南蛮亭』と『骨壺』という2つのサイトを立ちあげていて、そこで今の言葉でいう“作画崩壊”がなぜ起きたのかということを、かなり赤裸々に描いたんです。あの出来事以前にもそういうことは起きていたのですが、世間には知られてはなるまいということで、いわゆる箝口令がしかれていたんですよ。誰にも言うなということですね。それで、しれっと同じ話数を2回放送したり、放送が1週延びたりということをやっていたのですが、なぜそうなったのかということは、たぶん一般の方はご存じなかったはずです。それを私が自分のサイトで暴露したわけですから、もう大変なことになったというのが……つまり、（声をひそめて）圧力がかかるんですよ。言うなと。スタッフは一切口を開いてはならないと。「そんなわけあるかあ！」というところからはじまったことでして、ほんと、自慢じゃないですけれど、たぶんそういうことをしたアニメ業界の人間は私が日本で最初だと思います。<br />
――　そうかもしれないですね。<br />
渡部　今では、作画崩壊的なこと――厳密に言うと、「ヤシガニ」の場合は動画、仕上げに関する“動仕崩壊”なのですが――がなぜ起こるのかということが、だいぶ知れわたり、今ではさほど珍しいことでもなくなりました。私が起こした……起こしたっていうのもアレですけど、そのせいもあってか、いわゆる不完全な状態のまま放送日がきてしまったら、放送延期になることがほとんどになりましたよね。それまでは、何がなんでも放送してたんですよ。いろいろと複雑な契約だの、それにまつわるお金の流れなど、生々しい話になりますが放送せざるをえないと。今は製作委員会制で1社提供のCMのときも多いですから延期しやすいのかもしれませんが、昔は放送をとばすと億単位の違約金が発生したそうで、私も当時そう言われて脅されましたけど（笑）。昔がそうだったかどうか本当のところは私には分かりませんし、さすがに億はなかっただろうと思っていますが、今はそういうことはなさそうですよね。</p>
<h3>アニメ業界を辞めようと思った理由</h3>
<p>――　渡部監督が、昔からネットで発信されていて、そこで得た勘どころのようなものをもとにTwitterをやられていることがよく分かりました。そのうえでうかがいたいのですが、渡部監督のツイートはときおり、まとめサイトに載せられていますよね。<br />
渡部　自分がみた範囲でも7度ぐらい載っているのを見たことがあります（笑）。<br />
――　まとめサイトでは、渡部監督が以前アニメの仕事をやめようと思われたことを赤裸々に書かれたものがあって――<br />
渡部　ああ、それはほんとのことです。<br />
――　アニメ業界を辞めて、別の業界で働こうとしたけれど、手取り12万円ほどの仕事しかなさそうということで転職は断念されたと。</p>
<blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">2年ほど前、もうアニメなんかやめようと思い立ち<br />本気で転職を考え、人材登録サイト経由で応募したが<br />ことごとくだめで、シルバー人材センターに行けと言われ、求人が軽作業、夜勤の守衛、ぐらいしかなく<br />手取り12万程度。63歳での転職は絶望と悟った。<br />厳しい世の中だ。<br />結局転職できぬまま今に至る。</p>
<p>&mdash; 渡部高志 (@TkashiWatanabe) <a href="https://twitter.com/TkashiWatanabe/status/1536366042452090881?ref_src=twsrc%5Etfw">June 13, 2022</a></p></blockquote>
<p> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>渡部　それ、ほんとのことなんですよ、まったく嘘はなくて。テレビで放送されているような転職サイトってあるじゃないですか。ようは仲介でそこに登録すると、自分に興味のある企業が私のほうにアクセスするシステムのはずだったんですけど、もちろんゼロというわけではありませんでした。ただ、そこで私の年齢と職歴を言うと、そのあと音信不通になるという（苦笑）。最終的には、Twitterにも書きましたが、シルバー人材センターに行ってくださいみたいな展開がみえましてですね。なるほど、これが60をすぎてしまった人間の哀れか、というところなんですけど。<br />
いや、お聞きしたかったのはなぜ転職しようと思ったということですよね。（少し間があって）絶望じゃないですけど……うーん……これは言い方が難しいなあ。あのう、アニメ業界にはですね、年齢をいった人をですね、尊敬しない。ありていに言えば、バカにするような風潮はあるんですよ。それで現に私も、50を過ぎて60を超えたとたんに監督のオファーがピタッとなくなる。正直に言えば、今はありますよ。実際（次回作の作業を）やってますしね。作品名は言えませんが。<br />
――　Twitterのプロフィールには、「監督次回作準備中」とありますね。<br />
渡部　ええ。ただ、その当時はちょうど監督のオファーがパタッとなくなったということにたいして、とても悩んでいたのはたしかです。<br />
――　渡部監督の監督歴をみますと、2016年に『タブー・タトゥー』という作品を手がけられて、最新作の『現実主義勇者の王国再建記』のあいだに5年ほどブランクがあります。<br />
渡部　じっさい、オファーがなかったんですよ。それはちょうど60になったあたりで、つまり定年の年齢ですよね。これはアニメ業界にもあるんですよ。私と年の近い制作たちも、ある程度偉くなった人たちをふくめて、みんな定年で業界にいないです。そうなると、私、孤独じゃないですか。それで、20歳も年が下のバリバリ全盛期の40代のプロデューサーたちと付き合うことになると、その付き合い方は非常に難しいし、これは私の被害妄想かもしれませんが、大半の方は自分のような年上の人間をとても嫌うんですね。<br />
もちろん、面と向かっては「お前なんか嫌いだ」とは誰も言いませんよ。ただ、暗黙の空気というのがありますよね。これは妄想かもしれませんけども、「若い人でお願いします」「若くてイキのいい、今のセンスにあった、今の時代の空気を敏感に感じとっている監督にお願いしたい」というふうにクライアントサイドから言われたら、我々は出番がありません。これは深刻な問題なんですよ。その証拠が、あのときの5年間、オファーがなかったということだと私は思っています。そうすると、みんな辞めていくんですよ。当たり前ですよね、仕事がないんだから。私も例にもれませんでした。絶望した理由はそういうことで、これは誰でも絶望すると思いますよ。監督のオファーがなくなり、仕事は絵コンテや演出などのバラバラのものばかりくる。そこで私はたまたま作画ができたんですけども、もし演出畑の人だったらアウトでしょう。これは大きな問題だと思いますし、じっさいに厳しいです。<br />
――　単発の絵コンテや演出の仕事だと収入的に大変厳しいことになると、これもTwitterで以前書かれていましたね。</p>
<blockquote class="twitter-tweet"><p lang="ja" dir="ltr">昨年コンテと演出だけやってたとしたら年収120万。<br />いや収入ではなく売上だが、これは屈辱であった。<br />実際には作画仕事でカバーしていたが。<br />何でも屋で良かったと心底思う。<br />作画インから3週間で放送していた90年代が懐かしい。<br />回転は良かった。</p>
<p>&mdash; 渡部高志 (@TkashiWatanabe) <a href="https://twitter.com/TkashiWatanabe/status/1714058528988561738?ref_src=twsrc%5Etfw">October 16, 2023</a></p></blockquote>
<p> <script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script></p>
<p>渡部　ええ。これもTwitterに書いていますが、私は性格的に仕事の掛け持ちができないんですよ。1本請けたら、それが終わるまで次はやれない体質ですので。そうなると、これもTwitterに赤裸々に書きましたが、もうぶっちゃけた話ですね、演出料の単価って1本だいたい25万から40万のあいだで、だいたいの真ん中をとって30万ぐらいなんですよ。絵コンテもだいたい同じようなものです。そうすると、絵コンテ・演出のセットで60万円ほどですよね。これが1カ月であがれば御の字ですが、じっさいは4、5カ月かかるわけですよ。となると、年収で考えると、そのわずか3倍か4倍にしかならないということがあってですね。これは本当の話ですけど、大貧乏におちいったということです。……これはキツかったですねえ。それは絶望しますよ、ハハハ（笑）。<br />
そういった体質をもっている業界自体に嫌気がさしたというのと、あとこれは一般的な話ですが、1つの会社で4年間ぐらい付きあってやっているとですね、だいたい会社の中にアンチができるんですよ。アイツは駄目だみたいな勢力が必ず発生してきてですね、では一回よその飯を食ってきてくれよみたいなことで、その会社からは仕事がこなくなるということがあるんですよ。これはアニメ業界にかぎったことではなく、フリーの人間にはよくあることだと思っていますが。</p>
<p><strong>※試し読みはここまでです</strong></p>
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		<title>監督とアニメーションプロデューサーが語る『COCOLORS』美術の特殊な作り方コミックマーケット94にて『COCOLORS』美術画集頒布</title>
		<link>http://ani-ko.com/67-cocolors-bijutsu</link>
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		<pubDate>Wed, 01 Aug 2018 22:45:06 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[wpmaster]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Anime]]></category>

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		<description><![CDATA[2018年8月11日（土）、コミックマーケット94にて『COCOLORS』美術画集を頒布します（スペース名「AniKo」土曜 東1G30-b）。その巻末に収録した横嶋俊久監督、アニメーションプロデューサー清水一達さんへの取材記事を先行して全文公開。画集の詳細は、この記事の終わりをご参照ください。 版 [&#8230;]</p><p><a class="more-link" href="http://ani-ko.com/67-cocolors-bijutsu">続きを読む</a></p>]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>2018年8月11日（土）、コミックマーケット94にて『COCOLORS』美術画集を頒布します（スペース名「AniKo」土曜 東1G30-b）。その巻末に収録した横嶋俊久監督、アニメーションプロデューサー清水一達さんへの取材記事を先行して全文公開。画集の詳細は、この記事の終わりをご参照ください。</p>
<p><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2018/08/gashu_hyoshi.jpg" alt="gashu_hyoshi" width="837" height="591" class="aligncenter size-full wp-image-1266" /></p>
<h3>版画らしく、アニメーションとしても見応えのある美術を模索</h3>
<p>――　『COCOLORS』の美術について最初に考えられたことを、あらためて聞かせてください。<br />
横嶋　末弘さん（※美術監督の末弘由一氏）や橋口さん（※世界観設計・背景原図の橋口コウジ氏）に入られる前の、ほんとに最初の頃は、「どうやったら作れるのかな」がスタートだったと思います。当初から、川瀬巴水や吉田博のような新版画のタッチでいきたかったのですが、どうやって実現すればいいのだろうと。そのときから、まずは僕が3Dで全部レイアウトをおこしていくのがいいのかもしれないというのは頭にありました。<br />
――　新版画的な淡い色合いと、パイプがそこらを這うようなスチームパンクの世界観はマッチすると最初からイメージされていたのでしょうか。<br />
横嶋　親和性は、すごく高いんじゃないかと思っていました。ただ、それをどうやったら描けるのかはまったく分からず……（笑）。キャラクターについても、全て3Dでおこしてラインを抽出しながら動かしていくのか、CGのラインをそのまま使っていくのかも迷っていました。<br />
――　そこから本書の冒頭に再録した座談会で語られたような出会いがあり、橋口さんの描いた原図をもとに末弘さんが美術の作業をされていくことになりました。<br />
横嶋　最初は、末弘さんもどんな風に描けばいいのか凄く悩まれていたと思います。末弘さんは、橋口さんが描いた原図のラインにそって色を載せていく「摺り師」のような役割ですから、どこまで手を入れたらいいのか、最初はかなりやりとりがありました。新版画は、版の数にとらわれないで作るのが特徴ですから、浮世絵だったら４版ぐらいのところを30版ぐらい作り、それを全部摺って重ねていきます。これって僕らがアニメを作るときに、ちょっとしたパラやグラデーションをレイヤーとして重ねていくのに近いんですよね。ただ、単純にレイヤーを重ねすぎると、どうしても普通の美術に近づいてしまいます。そこをどう抜き差ししていくのか、お互い模索しながらやっていった感じです。実際に作業が走り始めてから、アキとシュウが地下駐車場で話すところの美術をあげてもらった時に、「あ、これだったら」という手応えがあったんです。この感じならば、実際に版画で摺れる可能性もありつつ、アニメーションとしての美術としても立っている。そんな落としどころが、あのときに見えた気がしました。新版画の作家たちも、おそらく浮世絵とは違うものを模索しながら作っていったはずなんですよね。僕らも新版画に寄せていくだけでなく、そこから得たものを今の時代の解釈で新しい絵におこしていくのがいいのではないか。そんな風に途中から思ったのも大きいです。そこからは、もう末弘さんにお任せする感じでした。<br />
次に問題になったのは色で、『COCOLORS』は、どんどん色が失われていって、黒みが多くなる世界だったので、末弘さんからは、「このシーンは、どの色を使っていいですか」という話が毎回出ました。シーンが進むにつれて色の手数がなくなっていくので、凄く苦労されたと思います。</p>
<h3>あえて色数を限定し、物語に寄りそう美術を設計</h3>
<p>――　色については、撮影時にカラースクリプトのようなものを作って、色を見るだけで、そのシーンの感情が分かるような試みをされていたと以前うかがいました。<br />
横嶋　今回は色についても取り組んでみたいチャレンジのひとつでした。どんな色味で落とし込んでいったら最後のシーンに繋げられるのか、何度もやり取りしながら精度をあげていったところがあります。<br />
――　色数をあえて制限することも、最初から考えられていたのでしょうか。<br />
横嶋　色が制限されているからこその表現もあるのではないかと思っていました。版画という手法自体、使える色が限られている中で、どう表現していくかのかが腕の見せどころだったりするじゃないですか。それもあって、あえて色数を限定していきながらも、物語に寄りそった美術として成立させるという……言葉にしてみると、我ながら物凄い無理難題なんですけど（苦笑）。<br />
――　序盤の収穫祭のところなどは、灯りもあって、ある程度きらびやかな世界ですよね。<br />
横嶋　最初はわりと光がある世界ですが、あれでも使っている色は限られています。そこから状況の変化をどう色で見せていくのかが非常に難しくて。美術のコンセプトとして、地下の世界全体を「人間の体内」のような設計にしているのですが、それは地下の住人たちが肉体を感じられない存在だからなんです。なので、時間が経過していくにつれて、グロテスクな言い方になりますが、内臓が腐敗していくような……。<br />
――　なるほど。細胞が壊死していくような。<br />
横嶋　最初はちょっとオレンジがかった、わりと生き生きとした色味だったのが、ちょっとずつ腐敗していって、紫や青みがかった色になっていく。地下の世界が衰退していくイメージを、人間の肉体が朽ちていくイメージで色づけしていったといいますか。最下層の葬儀場の引きの絵なんかは、実は反転すると頭蓋に見えるといったような騙し絵のような仕掛けも施しています。</p>
<p><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2018/08/gashu_honbun02.jpg" alt="gashu_honbun02" width="500" height="362" class="aligncenter size-full wp-image-1273" /></p>
<p>――　かたや地上には、無機質なモノトーンの世界が広がっています。<br />
横嶋　あの白黒の世界が最後にくるのは、ストーリー上わかっているので、そこにいたるまでに地下世界の色の流れをどう作れば、もっとも印象的になるのかを考えました。また、白黒になるということは、版画でいうと白は紙の地の色そのままになりますから、明度はもっとも高くなります。だけど、作品としてはモノトーンになっていくのに明度が上がっていくのは困るんです。<br />
――　物語の結末を考えると、そうですよね。<br />
横嶋　モノトーンになっていきつつも、黒みがかって暗い世界になっていく。どんどん世界が暗く落ちていくのを美術で表現するのに、本当に末弘さんは悩まれたんじゃないかと思います。これは相反することを要求しているようなもので、どんどん白黒の世界になっていくけど、白が明るいと困るっていう。そうした色の階調を作っていくのは本当に大変で、それこそ終盤の地下通路やエスカレーターのところなんて、ほとんど真っ黒じゃないですか。<br />
――　でも、それは今言われたような意図があるからなんですね。<br />
横嶋　黒のイメージを、どんどん画面の中に増やしていきたかったんです。最初はライトが煌々と灯っていて少し明るい世界だったけれど、ちょっとずつ陰っていって真っ暗になっていくという。<br />
――　本書では、ほぼシーン順に美術を掲載していますが、後半にいくにしたがって暗くなっていくのは、そういう狙いであると。<br />
横嶋　そうですね（笑）。この本を手にとった方は、「なんだかどんどん暗くなっていくな」と思われるかもしれませんが、明確な意図があってそうなっていることをご理解いただけると、より楽しんで見ていただけるんじゃないかと思います。</p>
<p><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2018/08/gashu_honbun07.jpg" alt="gashu_honbun07" width="500" height="362" class="aligncenter size-full wp-image-1276" /></p>
<p>――　美術の話題からは離れてしまいますが、色のことでいうと、フユがアトリエでワーッと暴れるところで画面が青くなりますよね。『COCOLORS』の世界に青は存在しないという設定だそうですが、あの場面であえて青くしているのはなぜなのでしょうか。<br />
横嶋　確かに最初の頃、末弘さんには「青はあまり使いたくないです」と話していました。あのフユのシーンは、この物語の分岐点のひとつですが、暗い印象にはしたくなかったんですよ。綺麗なイメージにしたかったというか。あそこでは、フユの意志が入ってくるので、物語の流れとしても色を落としてしまうと意味合いが変わってくるので、青の印象を強くしました。フユの行動によって、もしかしたら衰退している流れとは別の流れができるんじゃないかというのを表現したかったと言いますか……。茶色がかった世界が疲弊していくイメージとは、ちょっと違った意味合いを込めたかったんです。<br />
――　なるほど。流れに抗うというか。<br />
横嶋　そうですね。あそこはフユが抗うシーンなので、あのような色の設計になりました。美術の色の設計でいうと、地下世界には階層があって、前の時代の人間が作ったものと、今地下に住んでいるアキたちが作ったものが混ざりあっているイメージがあります。後者は茶色で、前者は緑色がかっていて、この本の表紙にも使われているプロペラの高台は、ちょうどその中間あたりになります。だから、茶色と緑が混じりあっていて、高台の上にあるアキとフユの秘密基地は緑がかった感じになっている。そんな風に、色の使い方については、だいぶシビアに話させていただいた記憶があります。</p>
<h3>ある意味、非常にコスパのいい作り方</h3>
<p>清水　美術ボードがありませんから、毎シーンでボードを作っているようなものなんですよ。それゆえに、物凄い数のトライアンドエラーが発生するんです。<br />
横嶋　ほんとに特殊な作り方でした。<br />
清水　それゆえに、どこを切りとっても本に載せることができる超高密度な背景になりました。末弘さんは、本当に大変だったと思います。<br />
――　現場のプロデューサーである清水さんから見て、『COCOLORS』の美術の作り方は、どれぐらい特殊なものだったのでしょうか。<br />
清水　普通のアニメの背景は、まず美術設定があって、美術ボードを作り、それをもとに原画さんがレイアウトを描き、それが原図になって背景さんが描くという流れで、色々な人の手を経ていきますが、今回は今お話した部分を橋口さんと末弘さんのお２人で、全体の９割ぐらいもっているんですよね。意思疎通を監督以外とする必要がなくて、美術ボードを作る必要もない。その代わり、毎回ボードを作るのと同じぐらいのやりとりを３人の間で密に行って、横嶋監督からのフィードバックも全部反映することができます。とはいえ、いくら少人数でも普通はそこまでは拾ってもらえなくて、お２人だからやっていただけているというのが本当のところだと思いますが……。監督の意志を伝えるためのコストをかけていないので、ある意味、非常にコスパのいい作り方をしていて、これだけの密度にたいしてのコストパフォーマンスとしては実はかなり優れているんですよ。ただ人数が少ないぶん、普通の背景のフローに比べると、とにかく時間はかかるという。<br />
横嶋　もちろん時間はかかります。ただ、それは現場的にというよりは僕ら3人の時間がかかるという。</p>
<p><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2018/08/gashu_shiji.jpg" alt="gashu_shiji" width="500" height="362" class="aligncenter size-full wp-image-1277" /></p>
<p>清水　もし色々な人に渡していく普通のフローに載せたら、おそらく数十倍のコストがかかるはずです。それを今の規模でまとめることができたのは、ある程度の期間をとって、横嶋監督が少人数のスタッフと密なやりとりをしていたからです。これは美術以外の他の工程も同じで、少人数で、全員監督と顔を付き合わせている状況だからこそできる密度感なのかなと思います。<br />
横嶋　普通は監督がそれぞれの部署のトップの人と話して、それが下にどんどん降りていって、それぞれの階層の中で作られていくのが基本なわけですからね。<br />
清水　アニメの制作フローって、基本的には後ろに戻らないような作りになっているんですよね。そこに僕らは3Dの考え方を持ちこんでいるので、美術を作るさいにも監督と現場スタッフの間でいったりきたりする。普通だったら、なかなかやれないフローですが、横嶋監督は3D出身の監督なので、得意なやり方にもっていったら、こうなったという。一応、現場へのフォローとして、単価の作業ではなく、月額いくらという3Dと同じ考え方にしていますが、それでも普通はなかなかここまでやれないと思います。<br />
――　美術に関しては先行してやっているのも大きいですよね。<br />
横嶋　確かにそうですね。普通は同時並行で進めますから。<br />
――　3DCGには、3Dで舞台（ステージ）を作るという考え方があるじゃないですか。そうすればカメラを自由に動かして画面を作ることができますが、この作品では手描きで先行して、そうした舞台を作っているようなものですよね。同じ場所でもさまざまなアングルから描かれた原図や美術があって驚きました。<br />
横嶋　正直なことを言うと、現場をよーいドンで同時に動かせなかったがゆえに、こうした手法が取れたという、ある種の幸運もあったと思います。<br />
――　狙いではなく、結果的にそうなったと。<br />
横嶋　いっぺんに大人数を動かすと、それだけコストもかかりますから、制作の初期の頃には、ちょっと待たなければいけない時期があったんですよ。ただ、美術に関しては僕と橋口さんと末弘さんの３人で回せるので、その３人が動けるだけの余裕は、ずっと清水が担保してくれていたんだと思います。そうして美術が先行してやれたおかげで、こうした良い影響が出たといいますか。そして、アニメーションはできあがった美術を見ながらキャラクターを載せて作っていく。これって普通できないことですし、まずやらないですからね。<br />
清水　あと、横嶋監督が3Dにさわれて、仮の3Dレイアウトを作るなど、コンテを描く以上のことができたから実現できた面もあります。手描きアニメでいうところの原図のラフみたいなものを監督が描けたのは大きいです。そうした強みがあって、たまたま全てがうまくハマった結果、こういう作り方になったというか……。まあ、状況から逆算していった結果なんですけれど。<br />
横嶋　確かに、僕が仮のレイアウトを切りながら橋口さんに原図をお願いして、アニメーションにしていく作業は、3Dを使えたからできたことだと思います。<br />
清水　その辺りは、限られた時間のなか、PVなどを少人数作りきるために培ったスキルで、まさか中編でもそれが使えるとは誰も思わなかったという（笑）。<br />
横嶋　使ったというか、使わざるをえなかったというか……（苦笑）。ただ、この手法をとると、どこに兼用カットを使うのかも含めて、全て自分で計算ができるんですよね。本作の総カット数は500ちょっとあったはずですが、原図をお願いしたのは200ぐらいで、他はほとんど転用で補えたんです。３人でやっているがゆえに、無駄なカットを描いてもらうのが本当に忍びなくて、同じようなレイアウトを描いてもらうんだったら、自分のほうで調整して兼用にして、別のカットに注力してもらったほうがいいと。場合によっては、原図にあわせてコンテを変更して、ギリギリまで現場でバズルのように構成を変えていました。アキが御神体に飲み込まれる悪夢のシーンなどは、先行してあがっていた美術の構成を変えるだけで、最初の想定よりも豊かなシーンにできたりもして。ただ、やっぱり特殊な作り方すぎて、これが何回もやれるかというと、それはまた別な気がします（笑）。<br />
清水　普通のアニメは、まず画面を設計してから美術を発注しますが、今回は先に大きい枠で発注した素材がきて、それを使って画面を設計しながら演出していく。これって、やっぱりPV的なノウハウだと思うんですよ。手元にある素材を使ってなんとかするっていう。<br />
横嶋　そうですね（笑）。<br />
清水　普通は、全てを絵コンテで決めこんで設計しますよね。アニメのフローで、「絵コンテが設計図」と言われる理由はそこなんですけど、今回は、ひとつひとつの素材をマックスのパワーで作ってもらって、設計図はそれを見ながら考えるという逆のやり方で、3Dのほうがそうした対応力は高い。だから、キャラクターと同じぐらい背景を立てることができて、よりよく見せることができるフィルムになったんじゃないかなと。そして何より、もらったものを120パーセント使おうという横嶋監督の気持ちからきているんじゃないかという気がします。<br />
横嶋　神風動画というちょっと特殊なスタジオでずっとやっていた結果、そういう精神が自然と培われたのかもしれませんね。<br />
――　制作中から『COCOLORS』の美術と原図を本にしたいと話されていたのは清水さんで、そんな話を別の取材のときに聞いたのが、今回の画集を出すきっかけになりました。<br />
清水　フィルム上でも、普通の美術として描かれたものより活用されていると思いますが、映像での活躍を補ってあまりある密度ですし、ゆっくり見ることができるように形として残しておいた方が絶対にいいものだと思っていました。『COCOLORS』が、関わったスタッフ皆さんの代表作になるといいなとずっと思っていて、実際そう言えるものができたと感じています。今回、本にまとめていただいて有り難いです。<br />
横嶋　『COCOLORS』の美術が本になり、作品を観た方に手にとってもらったときの気持ちは、僕が川瀬巴水や吉田博の画集を手にとって眺めていたときの気持ちと近いものがあるのかなと、今の話を聞きながら思いました。もし、この画集を購入していただいた方々に、僕と同じような感情を与えられるとしたら、とても嬉しいですし、ほんとに有り難い話だなとあらためて思いました。この本を見ながら、「これ、どうやって作ったんだろう」なんて思っていただけたらなあと。<br />
清水　この美術画集は、おそらく誰かの人生を狂わせる１冊になると僕は思います。この本を手にとった誰かが、まかり間違ってアニメの美術の世界に足を踏み入れてしまうような……（笑）。それぐらい誰かの心の中に残るものに絶対になっているはずです。<br />
横嶋　『COCOLORS』の美術を見て、「この階段は、どこに繋がっているんだろう」とワクワクして、「いつか、自分でもこんなことをやりたい」みたいに思ってくれる人と、いつか一緒に仕事をすることができたら嬉しい話ですよね。</p>
<p><strong>＜コミケ出展情報＞</strong><br />
コミックマーケット94、2018年8月11日（土）<br />
スペース名「AniKo」土曜 東1ホールGブロック30-b</p>
<p>書名：COCOLORS美術画集<br />
スペック：A4横サイズ・フルカラー164頁<br />
コミケ頒布価格：3000円<br />
収録内容：『COCOLORS』の美術背景約180点、没美術集、監督修正指示集、背景チーム座談会（再録）、新規インタビュー（横嶋俊久＆清水一達【本記事】、美術監督・末弘由一）、コメント（世界観設計＆背景原図・橋口コウジ）</p>
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		<item>
		<title>下北沢トリウッド『COCOLORS』横嶋俊久監督ティーチイン採録「C93土曜 東Ｄ47b 」にて紙版AniKo『COCOLORS』特集号頒布</title>
		<link>http://ani-ko.com/66-yokoshima</link>
		<comments>http://ani-ko.com/66-yokoshima#comments</comments>
		<pubDate>Fri, 15 Dec 2017 01:00:29 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[wpmaster]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Anime]]></category>

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		<description><![CDATA[『COCOLORS』（劇場版）のロードショー初日15時の回のあと、横嶋俊久監督によるティーチインが行われた。質疑応答をふくむ約30分の模様をノーカットでお届けする。作品の根幹に関わる話を交えながら、横嶋監督が『COCOLORS』で伝えたかったことの一端が語られた。鑑賞を前提とした内容になっているので [&#8230;]</p><p><a class="more-link" href="http://ani-ko.com/66-yokoshima">続きを読む</a></p>]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>『COCOLORS』（劇場版）のロードショー初日15時の回のあと、横嶋俊久監督によるティーチインが行われた。質疑応答をふくむ約30分の模様をノーカットでお届けする。作品の根幹に関わる話を交えながら、横嶋監督が『COCOLORS』で伝えたかったことの一端が語られた。鑑賞を前提とした内容になっているので、映画を観たあとに読んでいただきたい（収録日／2017年12月2日、収録場所／下北沢トリウッド）。</p>
<p><strong>＜告知＞</strong><br />
2017年12月30日（土）、コミックマーケット93にて紙版の「AniKo創刊準備号」を頒布します（スペース名「AniKo」土曜 東Ｄ47b）。100ページを超える『COCOLORS』特集を始め、『幼女戦記』を制作したアニメーション制作会社NUTプロデューサーの角木卓哉さん、ゲーム作曲家の菊田裕樹さん、映画監督の松村克弥さんへの取材記事など盛りだくさんの内容です。くわしくは、この記事の終わりをご参照ください。</p>
<p><strong>Profile<br />
横嶋俊久　Toshihisa Yokoshima</strong><br />
アニメーション監督・演出。ゲームのPVやOP、ミュージックビデオ等の演出を多く手がけ、2009年に短編『アマナツ』を監督。神風動画所属を経て現在はフリー。『COCOLORS』では、監督・脚本を担当。</p>
<p><strong>『COCOLORS』（劇場版）上映情報</strong><br />
下北沢トリウッド（東京都世田谷区代沢5-32-5-2F）にて、2017年12月2日より上映中（火曜は定休）。上映スケジュールは劇場サイト（<a href="http://tollywood.jp/">http://tollywood.jp/</a>）を参照。英語字幕版の上映もあり。</p>
<p><iframe width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/JOADQ4lJ4dM?feature=oembed" frameborder="0" gesture="media" allow="encrypted-media" allowfullscreen></iframe></p>
<p>本日はどうもありがとうございました。こんなニッチな作品の初回に……いや、初回は前の回でしたが（笑）、わざわざお越しいただきありがとうございます。本当に今回はトリウッドさんのご厚意もあり、この作品をロードショーというかたちで上映できたことが、まず凄くありがたいことですし、そこにお客さんとして皆さんに来ていただけたことには本当に感謝の一言しかありません。ティーチインってなんだっていうのもあるんですけど、どうして『COCOLORS』という作品を作ろうと思ったのかという経緯をお話できればと思います。<br />
やっぱり、アニメって、きちんと顔がでてきて、その顔が可愛かったり格好よかったりというのがあると思うんですけど、そうでない「顔が見えないアニメーション」って、どういうものができるんだというところから企画がスタートしていきました。僕らは3DCGで作品を作っているのですが、昔は表情をつけるのが難しい時代があったんですよね。その頃、僕が所属して仕事をしていた神風動画というスタジオでは、設立当初から3DCGの作品を作っていたのですが、キャラクターにマスクを被らせて、（3DCGの）弱点（である表情を）を見せないような作り方を初期の頃にしていたんです。それから10年ぐらい経って3DCGの技術も進化してきて、手描きのアニメと遜色ないとまでは言えないかもしれませんが、普通のアニメと区別がつかないぐらいまでの表現ができるようになってきました。そんな今、あえてマスクを被らせてみたら、どんなアニメーションが作れるのかに挑戦してみたかったんです。<br />
やっぱり顔って、僕ら人間がコミュニケーションをとる媒介として、いちばん有効なものだと思うんです。表情があったから、僕らは人間になったところがあるというか。相手の表情をみて、どんなことを考えているか（相手の）心の機微を察知できる能力――それがない世界ってＳＦ的な設定としても捉えることができるんじゃないかと思います。『COCOLORS』の世界の住人は、生まれたときから自分の姿を見たことがないんです。オープニングタイトルで、そのあたりの設定が描かれているのですが、チラッと見えるだけなので、（意味が分からないまま）おいていかれてしまうところがあったとは思うんですけれど。<br />
自分の存在を知らず、確かめられない彼らは、何を頼りにコミュニケーションをとっていくのだろうか。主人公のアキというキャラクターは非常に弱い人で、フユのヘルメットに顔文字のようなものを描くんですけど、あれって相手の感情をまったく無視しているんですよね。相手がどう思っているかではなくて、自分がこう思ってほしいということを押しつけるような人なんです。心も弱くて、相手によく思われたいのか、とっさに都合のいいことばかり言って実際には何もできない。僕なんかも、そういう人間なんですけどね（笑）。<br />
主人公をああいうキャラクターにしたので、最初、非常に難しいことになってしまいました。物語に登場するキャラクターって、自分で行動して状況を打開していくのがセオリーだと思うんですけど、アキはいっさい能動的に動けないし、ずっと立ち止まって、（現実から）目もすぐ背けてしまう。ただ、そんなキャラクターを描いた物語というのも、世の中に存在してもいいんじゃないかなと。僕自身が、ほんとに彼みたいな人間で、正直今日も、「上映初日に、誰もお客さんがいなかったらどうしよう」とか、「朝起きたら寒いし、トリウッドに行くの嫌だな」とか思いながら来ましたし（笑）、現場でこのアニメーションを作っているときも、毎日「スタジオに行くの嫌だな」と思いながら作っていたところがあって（笑）。でも、だからこそ踏み出せるというか、「仕方ない（けれどやる）」っていうことが、僕はそんなにネガティブなことではないんじゃないかなというのが、わりとこの作品で言いたいことの１つだったりするんです。<br />
何かしらの重荷を背負わされてしまって、その重荷のせいで「ああ、もう！」なんて言いながら踏み出す一歩というのもあるんじゃないかっていうのが、自分の中であったんですよね。ポジティブなことだけが人間を前に推し進める原動力ではないんじゃないか、というか。ネガティブなことも、その人を形成する凄く重要な要素だし、それがあるからこそ進んでいけることもある。そうして、へこたれながらも進んでいくことが（作品の）テーマになりうるんじゃないかって思いながら、このアニメーションを作ったところがあります。<br />
この作品は、凄くエンターテイメントなわけでもないので、今日観ていただいたお客さんの感想は各々だと思います。ただ、やっぱり、こうして1000円を出していただいて、１時間ほどの貴重な時間を使って観ていただいたと思いますので、何か１つでも持ち帰ってもらえるものがあればいいなと思いながら、僕も後ろのほうで一緒に観ていました（笑）。「音楽がよかった」「アニメーションがなんか面白かった」「画がけっこう綺麗だったぞ」とか、何か1つでいいので、おっしゃってもらえたらなと思っています。<br />
自分としては、けっこう世界観が面白くできたんじゃないかなって手ごたえを感じています。特殊なやり方で美術を作っていきましたので、そういうところも見どころとして１つあるのかなと。せっかくですので、背景美術がどうやって作られていったのか、ちょっとお見せしたいと思っています。その前に、この作品の世界観の基礎みたいなものをお話しますと、さきほどお話した（マスクで顔を隠した約10年前の作品である）『ガソリンマスク』という、昔、神風動画が作った作品がありまして、それが基調になっているところがあります。実は、この『COCOLORS』という作品も、新しい『GASOLINE MASK』プロジェクトの一部で、ほんとは3部作の予定だったんですが、今のところ僕の『COCOLORS』だけができているという状態です。では、プロジェクトの最初に公開した『GASOLINE MASK』プロジェクトのティザー映像を流したいと思いますが、「観たことあるよ」って方はいます？　（あまりいないようなので）では、ぜひ観てください。</p>
<p><iframe width="500" height="281" src="https://www.youtube.com/embed/tzqgywntLT8?feature=oembed" frameborder="0" gesture="media" allow="encrypted-media" allowfullscreen></iframe></p>
<p>（ティザー映像を上映後）『COCOLORS』は、全然違う作品になっていますよね（笑）。ティザー映像では、凄くメカメカしい何かがでてきたり、ハリウッドチックな音処理も入ったりしていますが、実はこれが最初の映像だったんです。世界観としては、「富士山が噴火して、有害なバクテリアが噴出されたその後」みたいなものでして、「その設定さえ守れば、何を作ってもいいよ」と言われたので、「じゃあ僕は、ちょっとこういうものが作りたいので」と作ったのが『COCOLORS』なんです。今観ていただいた映像からこの作品ができたって、たぶん皆さん信じられないと思うんですけれど……。<br />
僕らが『COCOLORS』の背景美術を作るとき、まず「どんな世界観にしようかね？」という設定のところから入っていきました。その際、参考にした建物があります。新居千秋さんという建築家の方がいらっしゃって、その方が作る建築物が凄く面白いんですよ。秋田のほうに「由利本荘市文化交流館 カダーレ」という、文化会館のような施設があって、曲線が活かされた襞（ひだ）のような有機的な構造の建築なんです。あと、栃木にある大谷資料館という、石を切り出していた場所も参考にしています。地下の神殿のような雰囲気で、今でも中を見学できるので、機会があったらぜひ行っていただけたらと思いますが、その2つを組み合わせたような世界を作ってみたいなと考えました。そこにパイプなどを走らせて、スチームパンクっぽい世界を作れたらなあと。<br />
（スクリーンに本作の背景原図を映しながら）これが原図で、（レイヤーを重ねていく様子を見せながら）これが完成までの過程です。観ていてお分かりのとおり、１回（原図で）建物を建ててから、（描き直して）崩していったりするんですよね（笑）。「これは凄いなあ」と思いながら一緒に制作していました。実はこの原図を描かれた方が今日いらっしゃっているんですけど、（後ろのほうの席に座っている橋口コウジさんに向かって）これは全部鉛筆で描かれているんですよね？（「ええ」という返事を聞いて）本当に、１枚の原図ができあがるまでに凄い苦労があるのが観ていて分かると思います。こうして全部手描きで線をとっていただいて美術に反映させていくことをしながら、地下や外の世界を構築していきました。<br />
地下のほうには、石を切りだしたり、パイプとかを走らせたりしながら、ちょっとファンタジーな有機的な処理にして、地上に近づくにつれて直線的なものを増やしていっています。地下の世界に住む彼らは、マスクを被っていて自分の肉体を知らない。だからこそ、ちょっと有機的な人体の中のような場所に住んでいる、みたいなことで設定を進めていきました。<br />
ここで、背景原図から美術ができるまでをまとめたショートムービーを観ていただきたいと思います。こうやって、本当に１カットずつ作っていますというものなんですけど。（ムービーを流しながら）これが僕から出した3Dレイアウトですね。それを、あちらにいる橋口さんが絵におこしていきながら世界を構築していく……という。これだけ繊細な作業を重ねて、世界を作っていっていることがお分かりいただけると思います。ほんとに（画面の奥から）世界ができあがっていくという。これを1カットずつやりとりしながら作っていっています。<br />
通常の（アニメの）美術の作成って、複数のアニメーターや原図の方にいっせいに発注して進めていくのがセオリーだと思います。ただ僕らは、1年がかりで、こういったやり取りを密にしていきました。原図を描いたのは橋口さんほぼ1人ですし、その原図に色を塗って美術を作っていくのも末弘（由一）さんという美術監督の方に、ほぼ1人で直接やっていただいていて。そこに僕を含めたトライアングルで、じっくり1年ぐらいかけて1カットずつ作りながら、世界観を作りあげていきました。<br />
今お話した原図と美術の作業のあと、最終的な画面がどうなっているかを、ちょっと観ていただきましょう。（描いた美術の上下が大きくカットされている様子を流して）「あれだけ描いたのに、映ってないじゃん！」っていう（笑）。そんなところも多々ある作品でした。<br />
橋口さんには、本当に「この世界を作ろう」という意気込みで制作に取り組んでいただきました。先ほど皆さんが観たように、奥のほうからちょっとずつ世界ができあがっていくんですよね。鉛筆でその世界を彫り出して、切り出しながら作っていくっていう。僕も、非常に貴重な経験をさせてもらったなと思っているのですが、しかもこれは全部、鉛筆で紙に描かれているんですよね。Photoshopのレイヤーとかじゃないんですよ（笑）。Photoshopを触られる方がいたら分かると思いますが、デジタルで描いてレイヤーで作っていけたら、また全然（手間が）違うはずですが、橋口さんの場合は、ちょっとずつ鉛筆で紙に描いてそれをスキャンしていただいて、それを美術の末弘さんにお渡しするっていうことをやっていました。<br />
『COCOLORS』では、版画的な絵作りをしたいなと思っていて、ライン――版画では主線（おもせん）と言いますが、その黒いラインをどうしても（画面に）抽出したかった。そうなると、通常の原図では駄目なので、今回は通常の原図からさらにブラッシュアップをかけて、（画面にでる）ラインを「彫っていく」みたいな工程を踏んでいます。前に僕が橋口さんとお話したときに、「ほんとに普通の原図の2、3倍大変なことをさせちゃって申し訳ありませんでした」って言ったら、「いや、10倍大変でした」と言われちゃったんですけど（笑）、そんなかたちで作っていきました。この美術のやり方に関しては、どこもできないことじゃないかなと思っていまして、自分としてはかなりやれたなって感じているところです。</p>
<h3>質疑応答</h3>
<p><strong>Q1、3DCGで作られたキャラクターが、（背景と同じ）手描きのような味わいになっているのは、モデリングや撮影の段階で何か工夫をしているのか。</strong></p>
<p>まさに今回目指したのは、美術とキャラクターを乖離させないことでした。僕らが普段見慣れているアニメーションって、美術は凄く密度があって、だけどキャラクターはシンプルな線で描かれているものが多いと思います。僕自身、（自分が普段作っている）アニメを疑っているところがあるのかもしれませんが、密度の高い美術にシンプルなキャラクターがいる世界観って乖離しているところがあるんじゃないかなと感じていたんですよね。なので、「背景とキャラクターを同一の表現で映像に落としこんだら、どう見えるんだろう？」っていうのを試したかったんです。<br />
最初、キャラクターは3DCGで作っていますが、そこから版画と同じような工程を踏んでいるキャラクターを生成して、まず輪郭のラインを抽出して、それをAfter Effectsにもっていき、今度は他のパーツのマスクをだしていくという……。つまり、版画と同じように主線（おもせん）で描かれた黒いキャラクターの縁取りのラインがあって、そこにマスクというか「版」のようなもので色を流し込んでいく。そうした工程で絵にしています。3DCGを使っていますが、非常に版画に似た工程をとっているから、ああいう処理になっているんじゃないかなと。ですので、その辺りはもう全部After Effectsという撮影ソフトで、一から組みなおしていますってことですね。（3DCGで作られたキャラクターから）素材を全部抽出して、そこから線の太さなどの調整をふくめてやっていいます。<br />
（キャラクターの線が乱れた感じになっているのもAfter Effects上の処理なのか、という質問に対して）3DCGからラインを抽出するときに、少し歪ませるというか強弱がつくような処理を入れているんですよ。ですから、抽出したラインに、強弱がちょっとついているような感じになって、そこからさらにAfter Effects上で背景と馴染ませるように処理をしています。</p>
<p><strong>Q2、（物語終盤、ダクトを抜けて）アキとフユがエスカレーターまで行く過程にでてくる建築物の構造には、具体的に参考にしたものはあったのか。</strong></p>
<p>彼らが地上にでてくるまでの流れには、僕らの住んでいる地下の世界をモチーフに作っているところがあります。（首都圏）外郭放水路という、埼玉の春日部の方にある、都心で大雨が降ったときに水をそこに流しこんで水害にならないようにする地下施設があるのですが、そういうところを少し参考にしています。実際の位置関係などを考えると、リアルにそうしたところを通過しているわけではないかもしれませんが、僕らと近い世界観をだしたいなっていうのが凄くありました。もしかしたら、ちょっと見たことあるみたいに思ってもらえるような。実は、最後にアキとフユが登っていくエスカレーターって、新御茶ノ水駅のエスカレーターなんです。凄く長いんですよね。ですから、よく画面を観ると、ホームに行ったあたりの後ろの柱に「新お茶の水」って描いてあったりします（笑）。<br />
（橋口さんからの「それは僕も知らなかった」という声をうけて）そうかもしれないですね（笑）。美術のときに末弘さんに「新お茶の水の看板を貼ってください」とお願いしましたので。（さらに橋口さんから「日比谷共同溝も参考にしましたよね」という発言をうけて）そうですね。そういったところをモチーフにしながら設計していきました。</p>
<p><strong>Q3、キャラクターのネーミングに由来や意味はあるのか。特に、なぜアキとフユだったのか。<br />
</strong></p>
<p>けして春がこないような世界ですので、アキとフユとしました。せっかくですので2人についての話をしますと、フユというのは、この世界のなかでは、いちばん深いキャラクターだと僕は思っているんです。アキも切ないキャラクターではあるのですが、それをさらに深化させたのがフユで、彼はあの世界で、自覚的に生きているところがあるんですよね。地下の世界の住人は、どこか諦めているというか、自分のおかれている状況を仕方ないと思って、受け入れている。でも、フユだけは、そこになんとか抗おうとしていて。なので、アキよりも、ちょっと深いキャラクターということで、フユという名称にしています。さらに言えば、シュウというキャラクターには、「アキとシュウ」って「秋」を音読み、訓読みすると同じになるように、２人はけっこう近い存在なのかもしれない、ということで描いています。<br />
他のキャラクターは、もう語感でつけました（笑）。ただ、ギドクに関して言えば、この彼は地下の世界のことを唯一知っている存在でもあって、裏の設定みたいな話になってしまって申し訳ないんですけれど、少しそのことについてもお話したいと思います。<br />
作中でもみんなバンバンいなくなっていくから分かると思いますが、地下の住人たちは、あまり長生きできません。10歳や15歳とか、そういうレベルの平均寿命になっています。なぜかというと、実は彼らは（人間に）エネルギーを供給している存在なんですよね。あのマスクの中では、人体まで融解しているのかどうかは分かりませんが、彼らの命を融解しながらエネルギーを作り、それを実験のようなかたちで吸い取られている。そのなかで、強い個体だったのがアキやシュウたちで、彼らは周りのやつらよりもちょっと丈夫だったために、過酷な状況に送られているっていう。<br />
ギドクというキャラクターだけが、唯一、あの世界を管理している側なんですよ。だから彼だけが年齢が上で、実は彼だけが人間である。ただ、管理者ではあるんですけど、偉そうな感じではなくて、いわゆる中間管理職なんですよね。彼には彼なりの、いろいろな悩みがあるだろうなと僕は思います。<br />
アキは、作中でずっと嘘をつき続けるというキャラクターですが、ギドグもまた、嘘をつき続けるキャラクターです。そういう意味で、2人は近いところがある。もしアキがあのまま成長していけば、ギドクのようになる可能性もあるんじゃないかと思います。でも、だからこそ、最後にギドクもアキがやったことにたいして理解を示したのかな……とか、いろいろ考えて作っていました。そんなことも考えながら観ていただけると、またちょっと新しい発見があるのかなと思います。<br />
アニメーションのことで言いますと、彼らの顔が見えないので、手に思いをこめているところもあります。握った拳（こぶし）で、それぞれ何をするのか考えながらキャラクターづけしていって、握った拳を相手にぶつけるシュウのような人もいれば、フユのように絵を描く人もいる。そして、握った拳をもっていく場がなくて、引っこめてしまうアキのような人もいるという……。アキというキャラクターは、おそらく自分の感情の行き場が本当になくて、うろたえている人なんですけど、そんな彼が、ちゃんと自分の感情を受けいれるっていうところを描きたかったなあっていう……そんなアニメです（笑）。</p>
<p><strong>Q4、フユがマスクをとったとき、もしかしたら人間ではないものが出てくるのではないかと思ったが、意外と普通の人間だった。あえて（フユの素顔を）映さないで話を進めることもできた気がするが、そこに監督として迷いはなかったのか。</strong></p>
<p>やっぱり、顔はどこかで出さなければというのは最初からあったんですけど、どんな顔を出せばいいのかは、凄く迷ったところです。あそこまでずっと顔を見せずにやってきて、最後にバッと出たときに何が正解なのかっていうのは、ほんとに分からなかったというか、正直今でもあれが正解だったのかは、自分としては本当に分からないんですけれど……。ただやっぱり、僕らは最後、顔で語らなければいけないなっていうのはありました。最後の最後で、フユが命のともし火を消していくところは、凄く細やかな表情づけをしたんですけど、ああいうところって、僕らが人間だからこそ理解しうる表情じゃないかなと思うんです。そういうことができるキャラクターを選択したというところですね。</p>
<h3>最後の挨拶</h3>
<p>僕らはこの映画を、これをどうしようっていうこともなく作り続けていたところがありました。それこそ最初に企画を立てても、お金なんてどこからも出ないわけですよ、こういう作品ですから（苦笑）。なので、関わったスタッフも「これって、なんになるんだろう？」と思っていたと思います。そんななか僕は、「なんになるか分からない作品だけど、いつか劇場でかかるような絵をみんなで作っていこう」という話を絶えずしながら、みんなで作っていきました。それが今回トリウッドさんのご厚意もあって、ロードショーというかたちでこうして上映できたことに感謝の気持ちでいっぱいです。そして、そこに足を運んでくださった皆さんには、本当に感謝の言葉しかなくて……。関係したスタッフのみんなのためにも、今日やっと上映ができて、お客さんに観てもらえる機会ができたことを嬉しく思っています。ほんとに今日は、どうも有難うございました。</p>
<p><strong>＜コミケ出展情報＞</strong><br />
コミックマーケット93、2017年12月30日（土）<br />
スペース名「AniKo」土曜 東Ｄ47b</p>
<p>「インタビューマガジンAniKO（紙）創刊準備号」</p>
<p><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/12/cocolors_dojin_kokuchi.jpg" alt="cocolors_dojin_kokuchi" width="595" height="841" class="aligncenter size-full wp-image-1248" /></p>
<p>目次<br />
特集　神風動画『COCOLORS（コカラス）』<br />
神風動画が新スタジオで挑む長編プロジェクト『COCOLORS』（横嶋俊久、石黒英彦、清水一達）【再録】<br />
チャンスだけを与えられた人が何を作るのか見たかった（横嶋俊久、水崎淳平、納谷僚介）【再録】<br />
セッションの魅力を生かした楽曲作りと演奏（阿部隆大）【再録】<br />
背景チーム座談会（横嶋俊久、橋口コウジ、末弘由一）【新録】<br />
制作チーム座談会（横嶋俊久、石黒英彦、上遠野学、藤原滉平、清水一達）【新録】<br />
音響チーム座談会（横嶋俊久、納谷僚介、阿部隆大）【新録】<br />
ロードショー初日ティーチイン採録　※本記事<br />
鎌田光司（造形美術）、ハタヤママサオ（フユの絵）メールインタビュー<br />
キャスト・スタッフ・ミュージシャン コメント集<br />
制作資料（キャラクターデザイン、絵コンテ、背景原図、背景美術）</p>
<p>新スタジオNUTとアニメーションプロデューサー角木卓哉の挑戦【新録】<br />
松村克弥監督、自作を語る【再構成】<br />
ゲーム作曲家 菊田裕樹ができるまで【再録】<br />
金子志津枝　描き下ろしイラスト</p>
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		<title>らしく描こうとすると、「生」を自然と考える「アニコ」キャラクターデザイン 金子志津枝</title>
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		<pubDate>Mon, 07 Aug 2017 17:55:45 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[wpmaster]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Anime]]></category>

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		<description><![CDATA[アニメーター・キャラクターデザイナーの金子志津枝さんに、「インタビューマガジンAniKo」のマスコットキャラクターをデザインしていただいた。名前は「アニコ」。サイトへの実装（年内を予定）に先立ち、金子さんの描いたデザインをまとめた小冊子『金子志津枝 アニコイラスト集』を、2017年8月11日（金）開 [&#8230;]</p><p><a class="more-link" href="http://ani-ko.com/65-kaneko">続きを読む</a></p>]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p>アニメーター・キャラクターデザイナーの金子志津枝さんに、「インタビューマガジンAniKo」のマスコットキャラクターをデザインしていただいた。名前は「アニコ」。サイトへの実装（年内を予定）に先立ち、金子さんの描いたデザインをまとめた小冊子『金子志津枝 アニコイラスト集』を、2017年8月11日（金）開催のコミックマーケット1日目、金子さんのスペース「金曜日 東シ-27ｂ／Heart Poop」にて頒布する。小冊子には、約10000字のインタビュー、金子さんの作品リスト（ご本人のコメント付き）、多くの作品でタッグを組まれている渡辺歩監督のゲストイラストも収録。WEB用に再編集したインタビューを先行して公開する。</p>
<p><strong>Profile<br />
金子志津枝 Shizue Kaneko</strong><br />
アニメーター、キャラクターデザイナー。近年の主な仕事に、『謎の彼女X』（総作画監督）、『大きい1年生と小さな2年生』（キャラクターデザイン）、『彼女がフラグをおられたら』『モンスターストライク THE MOVIE はじまりの場所へ』（キャラクターデザイン・総作画監督）などがある。Twitterアカウント＠QQQnekoQQQ（<a href="https://twitter.com/QQQnekoQQQ">https://twitter.com/QQQnekoQQQ</a>）。</p>
<p><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/08/65-kaneko-top.jpg" alt="65-kaneko-top" width="419" height="595" class="aligncenter size-full wp-image-1197" /></p>
<h3>アニメに水彩・鉛筆画を取り入れる理由</h3>
<p>――　この小冊子を見た方は、金子さんはこんな絵も描くんだと意外に思われるんじゃないでしょうか。<br />
金子　逆に、こっちなんですけどね。ここに載せた絵が、私の素の絵に近いと思います。<br />
――　金子さんに、「インタビューマガジン AniKo」のマスコットキャラクターのデザインをお願いしたのは、『がをられ（彼女がフラグをおられたら）』のアイキャッチのお仕事がいいなと思ったからです。水彩や鉛筆のタッチを生かした１枚絵がとても魅力的でした。『逆転裁判（その「真実」、異議あり！）』『ファンタジスタドール』のエンディングでも似た手法を使われていましたが、なぜこうした方法をとられているのでしょう。<br />
金子　どうしてでしょうね、あまり考えたことがなかったです（笑）。うーん……人に頼めるほど時間がなかったのも大きいです。あと、やっぱり効率がいいからだと思います。セル画の塗りって工程が多いじゃないですか。この手法だと、ひとりでほぼ全部できるんですよね。『逆転裁判』と『ファンタジスタドール』のエンディングをああいう絵作りにしたのも、タイトな制作期間のなかで、なろべく作業をひとりで完結させるためでした。原画を描き、動画や背景も一部描いて、（撮影で）指定ができないところも画像ソフトを使って自分で作業する。『逆転裁判』のときは、背景も全部自分で描きました。手描きにしている理由は、それがいちばん大きいです。『がをられ』のアイキャッチのときも、とにかく時間がなくて、塗りの作業を他の方に頼むと、ただでさえ本編の作業で悲鳴をあげている現場に、更に塗りの作業を入れることになってしまう。だったらもう、最後の2、3時間を使って自分ひとりで完結できるものを描いてしまえば、撮影にデータを入れるだけですみます。そういう効率と苦肉の策をふくめてが理由ですかね。<br />
――　『がをられ』では総作画監督をされていて、自分で原画を描くことができないから、アイキャッチを描くことで自分の色を出したいというお気持ちもあったのではないですか。<br />
金子　それもあります。時間のないなかで雰囲気をだせるものを描くとなったとき、私の選択肢は手描きの水彩画や鉛筆画だったというか。時間と予算があれば他にも色々な手法が試せるのですけれど、制約があるなかで最大限の効果をだして自分の色や味も出せる。なおかつ早くできる。やはり、ここがいちばん大きいです。私は合理的なやり方が好きなので。ただ、非合理的に手数を加えないとならないことのほうが多かったりしますが（笑）。<br />
――　アニメーターになる前から、鉛筆画や水彩画を描くのが好きだったのですか。<br />
金子　いえ、（シンエイ動画に）就職するまではチラシの裏の落描き程度で、ちゃんとしているといえるものは描いてませんでした。高校のときは美術部にいましたが、UNOばかりやっていました（笑）。文化祭のために何か出さなくてはいけないときぐらいしか、絵を描いてなかったと思います。ただ、友達が美大受験をしたいと言い出して、それに付きあうかたちで数ヶ月、部活の延長線上で絵を描いたことはあります。ちゃんと絵に向き合ったといえるのは、それぐらいです。でも、絵は好きでした。<br />
――　その時は、どんな絵を描いていたのですか。<br />
金子　一応、課題はデッサンと水彩画でした。でも、それぐらいで、卒業後は特には……。面倒くさがりやなので、「やれ」と言われないと、なかなか描くところまで気持ちがいかないんですよね。私はほんとに普通の人なんですよ。<br />
――　部活の課題を通して、鉛筆画や水彩画の技術を学ばれたわけですね。<br />
金子　学校の美術の先生に少し教えてもらった程度ですから、ほぼ独学みたいなものです。誇れるような技術は何ももっていません。ただ、お金をいただきますし、クライアントさんにも作品のファンの方たちにも一番満足していただきたいので、時間の中で頑張っています。やはりヘタすぎると自分でも恥ずかしいので。<br />
――　でも、アニメ制作のなかで、ひとりで完結させる手段として、その技術を用いているわけですよね。<br />
金子　小学生の頃に、学校でぺんてるの水彩絵の具が配られますよね。誰もが触れる画材が水彩じゃないですか。もしリキテックスが配られていたら、それで描いていたと思います。それぐらいの理由です（笑）。もっと格好のいい理由をお話しできたらいいんですけど、ほんとにそんな理由なんです。</p>
<h3>自分の経験から引っ張ってきた絵</h3>
<p>――　今回お願いしようと思ったもうひとつの理由は、金子さんがツイッターにアップしていた落描きでした。アニメーターの方がSNSに自分の絵を載せるときは、自分が身につけた技術で描く原画やセル風の絵が多いと思います。金子さんは、そうではなくて素朴なテイストの絵を多く描かれていて、それも面白かったんです。今「やれと言われないと描かない」と言われましたが、自主的に描くとああした絵になるということは、ツイッターの絵が素の絵に近いのですか。<br />
金子　そうですね。ツイッターの絵は、せっかく始めたのだから描かないと……という自分への宿題みたいなところもありますので、強い自主性があるというほどではないんですけれど（笑）。就職するまではアルバイトばかりして、あまり絵を描いてこなくて、シンエイ動画に入って仕事になってから絵と向き合うことになった感じです。もちろん、それは仕事の絵ですけれども、そのなかで思うのは、芝山（努）さんもそうでしたが、原点として、やっぱりアニメからもってきている絵じゃないんですよね。自分が経験したことや、観てきた絵画や映画、そういったものからアイデアや根っこのようなものを引っ張ってこられている。私も、本来的にそういう風にありたいと思っています。アニメから「ノリ」はいただきますが、基（もと）となるような部分は自分が経験してきたことからもってくる。本来的に、そっちの方が好きなんだと思います。<br />
――　『がをられ』のアイキャッチは苦肉の策でと言われましたが、共同作業であるアニメ制作をずっとされてきたから、ひとりで完結するお仕事をしたいという気持ちもあったのではないですか。<br />
金子　仕事の立場上、グループプレイヤーであることが多いですが、やっぱりソロプレイヤーの方が気が楽ですよね。こういう仕事を集団でやっている以上、どうしてもセンシティブなところも出てきます。もちろん楽しいところもあるけれど、そういうことに煩わされず、自分とだけ向き合えるという意味で、仕事として個人でイラストを描いてみたいという気持ちはありました。<br />
――　2015年の夏に、この企画の打診をさせてもらいました。ツイッターにあげているようなタッチの、商業アニメでは描かないような絵柄で、頭身低めの女の子のキャラクターを描いてほしいという話をしたと思います。正直、駄目元の依頼でしたが、どうして引き受けてくださったのでしょうか。<br />
金子　単純に、面白いじゃないですか。そういうことをしないかぎり、アニメ以外の絵を描く機会はないですから。自分の絵を描ける現場はなかなか少ないですし、そうはいっても絵を描いていく仕事でもありますから、多少は仕事以外の絵を描いてみたいな、チャレンジできるものもほしいな、と思っていたんです。でも仕事がうまく切れなくて、ここまで形になるのに2年もかかってしまってスミマセン。<br />
――　とんでもないです。もともと、他のお仕事の間の隙間の時間で描いていただくというお話でしたから、むしろここまでお付き合いいただいて有難うございました。</p>
<h3>アニコは性別のない子にしたかった</h3>
<p>――　ご依頼後、最初に見せてもらったのが初期案でした。孔雀を参考にしたデザインにされていますが、なぜ孔雀だったのですか。<br />
金子　派手だからですかね（笑）。おめでたいという意味もあるんですが、たしか孔雀のことを調べて、何かしらの理由を引っかけたと思います。毒に耐性があって、サソリなんかを食べても全然平気だとか、羽を広げて閉じての二面性があるとか。生き物としても面白いですし。細かい理由は忘れてしまいましたが、この子は性別のない子にしたかったんです。</p>
<div id="attachment_1198" style="width: 849px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/08/65-kaneko-bamen01.jpg" alt="「アニコ」初期案" width="839" height="595" class="size-full wp-image-1198" /><p class="wp-caption-text">「アニコ」初期案</p></div>
<p>――　当時、イラストと一緒にいただいたメールには、「孔雀をモチーフにした感じです。でも、（飾り羽根がついている）孔雀ってオスなんですよね。なので、両性具有なイメージです。裸ブーツの、ちょっとミステリアスだけど可愛い感じでしょうか」とありました。なぜ、中性的な魅力をだしたかったのでしょう。<br />
金子　そっちの方が、「生きている」感じがしたんです。男か女かでカテゴライズされるより、決まっていない方が多面性があって面白いじゃないですか。「生」と「性」は、漢字がちょっと違うだけで、通じるものがあるというか。<br />
――　『がをられ』のときも、女性ならではの可愛らしさやエロティックを意識されていたと思います。今回描いていただいたキャラクターも、中性的ではあっても、どこかセクシーでエロティックなものを感じさせます。そうした点は、描くときに意識されますか。<br />
金子　意識はしますね。ただ、テンプレートのような「性」を考えるのではなくて、さっきもお話した「生きる」の方の「生」を考えて描いています。そうすると、生き物としての自然なエロティックさがでてくるような気がしていて。<br />
――　なるほど。「生」を意識して描くことで、「性」の魅力がでてくると。<br />
金子　「らしく描く」ことを考えながらやっていくと、自然とそうなるんだと思います。テンプレート的な「おっぱい、ボーン」ということではなくて（笑）。いや、おっぱいをエッチに描くのもすごくテクニックと情熱がいりますし、すごいことなのですが、今回はそれとはちょっと違う方法で、私なりにですが、それらしい仕草や所作を描くことで、その人の美しさや性格が表現できたらなと。そして、絵を見た人にそれがセクシーだと感じてもらえたら嬉しいです。<br />
――　全身姿の右に、変身した姿と頭身の上がった横顔を描かれています。「AniKo」のメンバーに見せたら『イデオン』みたいで面白いと言われたのですが、これはどこからアイデアがでてきたのでしょうか。<br />
金子　描いているうちに思いついちゃったんですよね（笑）。孔雀って、パッと羽を広げるじゃないですか。普段はおとなしくしているけど、盛り上がったときに、こんな風に頭が広がってエネルギーがバアッとでる。こういうギミックは、例えばこのキャラクターを漫画にするとしたら使えるなと思ったんです。<br />
――　たしかにストーリー性があって、世界観がみえるような気がします。<br />
金子　人って一面だけではなくて、やっぱり多面性があるし、それぞれ複雑なものをもっているはずですよね。そういう部分もだせたらないいなと思って描きました。</p>
<h3>頭身を低くしてデザインチックに</h3>
<p>――　初期案のあとに見せてもらったのが、ラフデザインと、ロゴを入れた2パターンの絵です。初期案から、だいぶ絵柄が変わりました。</p>
<div id="attachment_1199" style="width: 849px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/08/65-kaneko-bamen02.jpg" alt="完成デザインの一部を掲載。ラフデザインは小冊子を参照していただきたい" width="839" height="595" class="size-full wp-image-1199" /><p class="wp-caption-text">完成デザインの一部を掲載。ラフデザインは小冊子を参照していただきたい</p></div>
<p>金子　初期案もあれはあれで良いんですけど、マスコットとして考えると頭身が少し高いかなと思ったんです。少し頭身を低くして、デザインチックな感じにしてみました。<br />
――　しっぽのところに、ライオンのような生物が追加されました。<br />
金子　謎のペットが出現しました（笑）。ペットでもオモチャでもいいんですけれど。あと、サイトのマスコットキャラクターなので、クリックするときのアイコンに使えないかと「省略デザイン」の絵も描いてみました。<br />
――　有難かったです。こうしたアイデアは、描いているうちに浮かぶのですか。<br />
金子　キャラクターデザイン歴もけっこう長いので、「これがあったら、これも必要だろう」みたいなものが描いているとでてくるんですよね。やっぱり、色々ほしくなるじゃないですか。他のオカズが欲しくなるというか。<br />
――　こちらがお願いしている以外のものを、色々描いてもらえて嬉しかったです。<br />
金子　これでも最低限という感じで、もっと描かれる人もいると思います。自分としては、今回は描いたものが少なくて申し訳ないなという気持ちです。<br />
――　マスコットキャラを依頼したときから、サイトに載せるだけでなく、小冊子もあわせて作りたいという相談をさせてもらっていました。冊子ではキャラクターが作られる過程を見せたいので、ラフも一緒に載せたいという話をしていて。金子さんは、アニメのデザインをされるとき、関係者以外にラフを見せたくないそうですが。<br />
金子　できることなら見られたくないですね。恥ずかしいです。私の場合、まず最初に4Hぐらいの鉛筆を使って描いて、その絵から直接ラフを作ることが多いんです。最初に細い鉛筆で形をとって、その上からHBぐらいの鉛筆で清書をしてしまいます。総作監のときも同じで、下描きはあまり使わずに、まず鉛筆で薄く描いて、その上からちょっと濃い鉛筆でなぞることが多いです。<br />
――　サイトへの実装はこれからですが、まずは小冊子として、金子さんの描かれたキャラクターがお披露目されます。今の感想はいかがですか。<br />
金子　もう少し時間があったら、水彩やアクリルを使って描き重ねた重厚な描き込み系の絵を描いてみたかったですね。『謎の彼女X』の2人が机の上で踊っている最初のイメージボードは1週間ぐらいかけたのですが、それぐらい時間をかけたものを描いてみたかったなと少し思います。<br />
――　もともと、本業をやられる隙間の時間でお願いしていたものですから。<br />
金子　2016年は『モンスト』の映画がありましたし、2017年は色々な作品の準備があって実は物凄く立て込んでいるんです。1枚の絵に1週間はなかなかかけられない状況ですが、いつかやれたらなと思います。<br />
――　最後に、今回描いてもらった「AniKo」のマスコットキャラに名前をつけてもらいたいのですが。<br />
金子　私はずっと「アニコ」ちゃんだと思って描いていました。<br />
――　あ、そうなんですね。どういう表記がいいと思いますか。<br />
金子　普通にカタカナでいいんじゃないですか。<br />
――　では、「アニコ」でいきましょう。この小冊子やサイトに実装したときの反響を見つつ、今後も「アニコ」の絵を、金子さんに描いていただけたらなと思っています。<br />
金子　漫画とか描けたらいいですね。<br />
――　この小冊子を購読してくださった方に、ひとことお願いします。<br />
金子　手にとっていただいて有難うございます。アニコちゃんを、ぜひ可愛がってあげてください。</p>
<p><strong>Information</strong><br />
『金子志津枝 アニコイラスト集』<br />
A5フルカラー、36ページ、コミケ頒布価格500円<br />
2017年8月11日「金曜日 東シ-27ｂ／Heart Poop」にて頒布。最新情報は、金子さんのTwitter（<a href="https://twitter.com/QQQnekoQQQ">https://twitter.com/QQQnekoQQQ</a>）を参照。</p>
<p>『金子志津枝 アニコイラスト集』目次<br />
初期案<br />
完成デザイン<br />
彩色別パターン<br />
ラフデザイン<br />
ロゴデザイン<br />
おまけ（Twitter掲載イラストを抜粋して掲載）<br />
メイキング・オブ・アニコ（約10000字インタビュー）<br />
作品リスト（金子さんコメント付き）<br />
渡辺歩監督ゲストイラスト<br />
奥付</p>
<p>（C）金子志津枝／AniKo</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>原作後半の展開を見据えた物語構成に 『ねじまき精霊戦記　天鏡のアルデラミン』アニメーションプロデューサー 橋本健太郎（最終回）</title>
		<link>http://ani-ko.com/64-hashimoto04</link>
		<comments>http://ani-ko.com/64-hashimoto04#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 30 Apr 2017 18:43:40 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[wpmaster]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Anime]]></category>

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		<description><![CDATA[第1回、第2回、第3回と続けてきた本記事も今回で最終回。原作後半の展開を描くことなく、しかしその予感を感じさせる見事な構成に至るまでについて語っていただいた。 Profile 橋本健太郎　Kentaro Hashimoto アニメーションプロデューサー。マッドハウス所属。代表作に『デスノート』『オー [&#8230;]</p><p><a class="more-link" href="http://ani-ko.com/64-hashimoto04">続きを読む</a></p>]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://ani-ko.com/61-hashimoto01">第1回</a>、<a href="http://ani-ko.com/62-hashimoto02">第2回</a>、<a href="http://ani-ko.com/63-hashimoto03">第3回</a>と続けてきた本記事も今回で最終回。原作後半の展開を描くことなく、しかしその予感を感じさせる見事な構成に至るまでについて語っていただいた。</p>
<p><strong>Profile<br />
橋本健太郎　Kentaro Hashimoto</strong><br />
アニメーションプロデューサー。マッドハウス所属。代表作に『デスノート』『オーバーロード』『魔法科高校の劣等生』などがある。</p>
<p><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/05/64-hashimoto04-top-1024x576.jpg" alt="64-hashimoto04-top" width="1024" height="576" class="aligncenter size-large wp-image-1170" /></p>
<h3>絶対的に説明が必要な作品を整理する難しさ</h3>
<p>——　撮影と色について聞いておきたいのですが、今回撮影処理は相当入ってましたよね。光の具合などとても美しかったのですが。<br />
橋本　そうですね。撮影監督の伏原（あかね）さんが処理を濃い目に入れてくれました。前半は探り探りだったんですけど、結局どんどん濃くなっていきましたね。<br />
——　これは監督ではなく、撮影監督の好みなのですか？<br />
橋本　両方だと思いますが、撮監のほうから提案してもらっているほうが多いと思います。伏原さんはちゃんとテストとして見せてくれるので、比較するとやはり処理がしっかり入っている方が見栄えもよかったので。強めに撮影処理を入れる絵作りになって行った感じですね。元々マッドハウス自体、処理が濃い目な作品が多い気がします。だからその文化をちゃんと汲んでいる撮監さんだと思いますね。『ワンパンマン』で初撮監だったと思います。<br />
——　第4話のラストは、作画も素晴らしかったですが、撮影処理も凄かったですよね。<br />
橋本　そのシーンは監督の方針ですね。伏原さんにテストして見せてもらって、幾つかの見せ方のなかで、ああいう映像になりました。赤を際立たせつつ、ややホワイト気味にふってほしいというのが監督の意図だったと思います。</p>
<div id="attachment_1175" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/05/64-hashimoto04-bamen01-1024x576.jpg" alt="第4話より。ヤトリの見た目でホワイト掛かった処理が乗っている。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1175" /><p class="wp-caption-text">第4話より。ヤトリの見た目でホワイト掛かった処理が乗っている。</p></div>
<p>——　色はマッドハウスでおなじみの大野（春恵）さんですね。<br />
橋本　大野さんもどんな作品でもこなせる方ですね。色に関しては監督主導でもともと始まりました。基本的に原作があるものなので、そこに合わせた形で一度見せていただいて、美術の色味などと合わせて調整していきました。結構キャラクターの色味を決めるのも難航しましたね。現地がインドぐらいな場所の想定で考えていたのですが、服はドイツ風な軍服だったので（笑）。暑い国ではあるものの、タイツも履いてるし、長袖もコートも着ているし、手袋も付けていますしね。<br />
——　（笑）。結論としては？<br />
橋本　そこはバランスを取りながらも、余り気にしない感じですね（笑）。このあたりは、若干難しいところなのですが……アニメだからそれでいい、とも言えますが、色々苦労して世界観を作ってきたので、なるべく上手く表現したいですしね。これもビジュアル化に苦労した部分のひとつでしょうか……。<br />
——　ビジュアル化以外に苦戦した部分はどこでしょうか？<br />
橋本　小説の3巻までをアニメ13話に収めるのが難しかったですね。戦況とか状況とかを説明しないと分かり難いところがあるので、なるべく丁寧に説明したのですが、説明のための台詞やシーンよりは、キャラクター性のある台詞やシーンをなるべく残したかったので、バランスを取るのに脚本のヤスカワ（ショウゴ）さんに苦労をかけたと思います。上手くまとめていただけて本当にありがたかったです。</p>
<h3>絵コンテ陣についての考え方</h3>
<p>——　今回はかなり演出アニメになっていると思うのですが、各話の絵コンテマンについてはいかがでしょうか。これまで組まれて今回成長がみられたような方はいましたか？<br />
橋本　そういう意味では松村（政輝）さんでしょうか。絵コンテが以前と比べて格段に上手くなっていると思います。<br />
——　第9話の絵コンテを担当されていますね。上手くなっているというのは、どういうところに感じますか？<br />
橋本　『オーバーロード』の時はコンテの経験も浅かったためかやや不慣れ感じもあったのですが、しっかりしたコンテを描かれていたと思います。監督も僕も『オーバーロード』のコンテを見た感じだと、もうちょっと不慣れな感じがあるかもしれないと思っていたのですが、あがってきたものを見ると凄く良かったです。リズムやアングルや見せ方に工夫があって、良かったと思います。<br />
——　そもそもコンテもこれまで多数描いてきたというわけでもないですよね。<br />
橋本　そうですね。『オーバーロード』でほぼ初めてに近かったと思います。一度『HUNTER✕HUNTER』で1本描いたあとは演出のみをずっとやってきたみたいなので、『オーバーロード』の時はカット繋ぎにも少し違和感があって、第4話も監督の伊藤尚往さんが修正された箇所もありました。今回はそういう感じはなく、世界観もキャラクター性なども上手くまとめていただけていたと思います。『神ない』の時から知っているので、凄く嬉しかったですね。<br />
——　『オーバーロード』でもそうでしたが、松村さんにアクション回を振っているのはどういう理由で？<br />
橋本　単純にアクションの多い回をお願いしたからですね。古川さんも松村さんも戦争というか戦いが多い話数をお願いしていました。社内に入ってメインでお仕事をお願いしていたので、比較的大変な話数のコンテを、古川さんや松村さん、浅香さんにお願いしていました。</p>
<div id="attachment_1176" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/05/64-hashimoto04-bamen02-1024x576.jpg" alt="第9話より。立体的な動きが楽しいアクションシーン。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1176" /><p class="wp-caption-text">第9話より。立体的な動きが楽しいアクションシーン。</p></div>
<p>——　コンテマンの配置についての意図をおうかがいしてもよろしいですか？<br />
橋本　第4話、第8話に関しては監督と相談して古川さんにお願いしました。模擬戦と実戦のある序盤で一番大事ですし、まず大変な第4話をお願いしました。8話も同様です。シナーク族と初めて戦う話数でしたので。第5話は脚本の段階から篠原（俊哉）さんにお願いしたいと監督から相談されていました。<br />
——　監督からの信頼があったと。<br />
橋本　そうですね。篠原さんのコンテもすごく良かったですね。<br />
——　浅香さんが3話分のコンテを引き受けられていますが、かなり珍しいですよね。<br />
橋本　そうですね。監督よりキャリアもあるわけだし、信頼を置いていたと思います。時期が良かったというのが大きいのですが、浅香さんにコンテをお願いできたことは本当に良かったです。皆さんそうですが、好みがはっきり出ますしね。『アルデラミン』では、監督の紹介などで上手な方にコンテをお願いできたので、本当に運が良かったと思います。</p>
<h3>ヤトリは二重の意味で運命に抗えない</h3>
<p>——　これまで結構ご苦労の面をうかがってきましたが、逆にうまく言ったと思えた部分はどこになりますか？<br />
橋本　イクタとヤトリの物語に集中させたところでしょうか。シャミーユは原作ではもう少しフィーチャーされるのですが、その思惑については最後に持ってくるかたちにしました。そうすることで、イクタとヤトリの心情に寄り添っていくようにしました。このやり方にしたからこそ、監督の得意な心情表現が活きたと思いますし、原作が内包している「固い絆で結ばれていながら、相反する二人」という大きな軸を表現できたと思います。本作によく登場する二人の背中合わせの構図などに、その集大成があると思います。</p>
<div id="attachment_1177" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/05/64-hashimoto04-bamen03-1024x576.jpg" alt="第13話より。背中合わせになるイクタとヤトリ。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1177" /><p class="wp-caption-text">第13話より。背中合わせになるイクタとヤトリ。</p></div>
<p>——　少し踏み込んだ話になりますが、やはりそのあたりは原作後半の展開も見据えての構成だったのでしょうか。<br />
橋本　そうですね。原作を知っている方たちが小説とは違うと感じないように作るのが大前提ですし。実はアニメ化がスタートした時にはまだ原作が山場に差し掛かっていなかったんです。だから、制作チームも後半の展開に驚かされました。<br />
——　確かにそうですよね。ではむしろそこでアニメ版の構成が固まっていったところもあるのですか。<br />
橋本　はい。そこは監督が決めたことなのですが、そうしないと全体を通す軸というか、話が成立しづらかったので。原作の3巻までというのは、実はあまりヤトリがフィーチャーされないんですよね。どちらかというとイクタvs.ジャンというのが話の主軸になっていく。そこを原作後半の展開を見据えながら、そっちに向かうように調整していきました。原作7巻のエピソードを第5話に持ってきたのもそういう意図です。ここを描くことによって、2人の絆がどういうきっかけで生まれたのかが分かりますし、第11話の「僕は喪われた君を想うだろう」に繋げ、最終回のシャミーユが言った言葉への一本軸が立つんです。</p>
<div id="attachment_1178" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/05/64-hashimoto04-bamen04-1024x576.jpg" alt="第11話より。イクタを殺せと命じられた時の仮定について答えるヤトリ。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1178" /><p class="wp-caption-text">第11話より。イクタを殺せと命じられた時の仮定について答えるヤトリ。</p></div>
<p>橋本　それと、原作後半の軸になる展開はもうひとつの意味合いもあって……。それはヤトリという存在は「剣」なんですよね。白兵戦の技術が主体なんです。でも、原作後半では銃撃がフィーチャーされていき、剣という存在が不要になっていく。イグセム家というのはそういう存在なんだと思います。だから彼女は二重の意味で運命に抗えないというか……。そのあたりも表現したかったことですね。<br />
——　意図がきちんと伝わる作りになっていたと思います。作品が終了し、あらためて市村監督とのお仕事についてはどのように思われますか。<br />
橋本　市村さんは自分の考えをしっかり持っていましたので、可能な限り監督と相談しながら制作をさせていただきました。世界観や表現することも多く大変な作品だったと思うのですが、とても真面目に一生懸命に作品と向かい合ってくれたので、大変なこともたくさんありましたが、とても嬉しかったです。僕自身も成長できたと思います。<br />
——　なるほど。今後の作品も楽しみにしています。この記事が掲載される頃にはパッケージの最終巻も発売されている頃だと思いますので、最後にここまで観てくださった視聴者の方に一言いただいてもよろしいですか。<br />
橋本　ご視聴いただきありがとうございました。アニメは原作のよさを可能な限り再現したつもりですので、気に入っていただけた方は、原作小説やコミカライズもご覧いただければ嬉しいです。そちらはまだ続きますので、合わせて楽しんでいただければと思います。今後も引き続き『天鏡のアルデラミン』をよろしくお願いいたします。</p>
<p><strong>Official Website</strong><br />
テレビアニメ『ねじまき精霊戦記　天鏡のアルデラミン』公式<br />
<a href="http://alderamin.net/"> http://alderamin.net/</a></p>
<p><strong>Soft Information</strong><br />
Blu-ray＆DVD第1巻～第7巻発売中<br />
価格：Blu-ray7,200円＋税、DVD6,200円＋税、第7巻のみBlu-ray4,000円＋税、DVD3,500円＋税<br />
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01IUUXSDC/koin2013-22/ref=nosim">Amazon</a></p>
<p>（C）2015 宇野朴人／ＫＡＤＯＫＡＷＡ　アスキー・メディアワークス刊／「天鏡のアルデラミン」製作委員会</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
		<item>
		<title>最も苦労したのは『アルデラミン』をビジュアル化することそのものだった 『ねじまき精霊戦記　天鏡のアルデラミン』アニメーションプロデューサー 橋本健太郎（第3回）</title>
		<link>http://ani-ko.com/63-hashimoto03</link>
		<comments>http://ani-ko.com/63-hashimoto03#comments</comments>
		<pubDate>Sun, 30 Apr 2017 12:00:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator><![CDATA[wpmaster]]></dc:creator>
				<category><![CDATA[Anime]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://ani-ko.com/?p=1127</guid>
		<description><![CDATA[第1回、第2回と引き続き、『天鏡のアルデラミン』についてアニメーションプロデューサー、橋本健太郎さんに伺っていく第3回。各スタッフに焦点をあてお話を聞いた。 Profile 橋本健太郎　Kentaro Hashimoto アニメーションプロデューサー。マッドハウス所属。代表作に『デスノート』『オーバ [&#8230;]</p><p><a class="more-link" href="http://ani-ko.com/63-hashimoto03">続きを読む</a></p>]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://ani-ko.com/61-hashimoto01">第1回</a>、<a href="http://ani-ko.com/62-hashimoto02">第2回</a>と引き続き、『天鏡のアルデラミン』についてアニメーションプロデューサー、橋本健太郎さんに伺っていく第3回。各スタッフに焦点をあてお話を聞いた。</p>
<p><strong>Profile<br />
橋本健太郎　Kentaro Hashimoto</strong><br />
アニメーションプロデューサー。マッドハウス所属。代表作に『デスノート』『オーバーロード』『魔法科高校の劣等生』などがある。</p>
<p><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/04/63-hashimoto03-top-1024x576.jpg" alt="63-hashimoto03-top" width="1024" height="576" class="aligncenter size-large wp-image-1135" /></p>
<h3>ある種地味なキャラクターの良さ</h3>
<p>——　ここからはスタッフ周りについて、色々お話を伺っていければと思います。まずキャラクターデザインの香月さんに関しては、どういった経緯でスタッフィングがなされたのでしょうか。<br />
橋本　これは社内でコンペ（コンペティション）を行いました。そこで監督がいいと言ったのが香月さんだったんです。ただ、最初に描いたキャラクターデザインは今よりもっとリアル寄りで、目がもう少し小さかったですね。そこでプロデューサーの中山（信宏）さんからもう少し可愛い方向に振れないかという話があって、現在のデザインに落ち着いたという流れでした。<br />
——　香月さんのキャラクターのよさというのは？<br />
橋本　しっかりとしたデッサンに基づいているデザインだと思います。戦争という題材を扱っている作品なのと、原作の各キャラクターの性格がしっかりしているので、リアル目な造型でもキャラクター性は出せるのではと思っていましたし、それは実現できていると思います。<br />
——　なるほど。もうひとりの総作画監督でサブキャラクターデザインでもあった平野（勇一）さんは、どんな仕事をされているのでしょう。<br />
橋本　一般のモブキャラクターや、アゴラやコーサラといったサブキャラクターのデザインをお願いしました。第8話で出てくるダメ上司3人もそうですね（笑）。少し前からお仕事をお願いすることがあり、キャラクターのかわいさや性格といった、このキャラならこういうふうなポーズや芝居をするのではということなども考えて絵を描いてくれる方でしたので、いつかデザインをお願いしたいと思っていました。</p>
<div id="attachment_1136" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/04/63-hashimoto03-bamen01-1024x576.jpg" alt="第8話に登場するイクタらの上司たち。地団駄を踏んだりと、細かいアクションが楽しい。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1136" /><p class="wp-caption-text">第8話に登場するイクタらの上司たち。地団駄を踏んだりと、細かいアクションが楽しい。</p></div>
<p>——　実際のお仕事ぶりをご覧になられていかがでしたか？<br />
橋本　今回は相当大変だったと思います。ただ、これまで平野さんもキャラデ・総作監でフィルムを支えている人達をたくさん見てこられたはずです。そのセクションに自身が入って、デザイン・総作監をやっていこうというんだったら、相応の馬力や特徴的な絵が描けないといけない。そのためにはいろんな経験をしておいたほうがいいという想いも、自分としてはありました。大変だったと思うのですが、今後の仕事に繋がる経験であってほしいと思います。<br />
——　得るところがあったのではないかと？<br />
橋本　あんなに入れたのに修正が反映されてないとか。もっと満遍なくこうしたら良かったとか。やっぱり総作監業に対する自分なりのスタンスや、より効率的な方法を探りながらの作業だったと思います。彼の武器はキャラの華みたいなところにあると思っています。今の主流のやり方でそこを活かすためには、やっぱりできるだけ多くのカットに修正をいれていかないといけない。そういうところは自分が実際やってみて感じることになると思いますので、次に繋がる経験になっていればいいなと思います。<br />
——　若手ですと、第5話の西川（千尋）さんの回は少し話題になったようですね。<br />
橋本　確かに西川さんも絵に華があると感じます。パッと見目を惹く絵を描かれますね。まだ若い方なので今後、活躍される方なのではと思います。</p>
<div id="attachment_1137" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/04/63-hashimoto03-bamen02-1024x576.jpg" alt="西川千尋が作画監督を務めた第5話より、子供時代のヤトリ。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1137" /><p class="wp-caption-text">西川千尋が作画監督を務めた第5話より、子供時代のヤトリ。</p></div>
<p>——　これまで橋本さんのご経験の中でも、若手では珍しいぐらい力のある方なんですか。<br />
橋本　そうですね。ずっと大阪（スタジオ・ムー）で仕事をやっていらっしゃって、仕事の考え方も真面目で前向きで、とても助かりました。</p>
<h3>「実戦じゃないから余計大変だった」第4話</h3>
<p>——　プロップデザイン、メイクアップデザインの高倉（武史）さんはいかがでしょうか。<br />
橋本　高倉さんは監督からのスタッフィングです。『ノルン（NORN9　ノルン＋ノネット）』のメカ銃器設定をされていて、その繋がりでお願いできることになりました。高倉さんはアニメーターではないので、『オーバーロード』のサブキャラデザインもやっていただいた前原（桃子）さんにアニメーション用の設定にしていただきました。なので、お2人の力で完成形にこぎつけたかたちですね。<br />
——　高倉さんは風銃のデザインなどを？<br />
橋本　高倉さんは風銃の原理なども考えてデザインを作ってくれる方なので、とても助かりました。かなり苦労されたと思うのですが、爆砲、風臼砲、国旗、他にも船などのデザインもそういった中で面白いデザインになったと思います。<br />
——　世界観を作りながら細かい設定も作っていくような。<br />
橋本　本来は2Dデザイナーだったり、美術スタッフに発注することもあるのですが、今回に関しては高倉さんに一任して、世界観の一環としてのデザインとしてやってもらった感じです。このかたちは、結構珍しいことかもですね。<br />
——　一方で、前原さんは総作監補もやられていますよね。<br />
橋本　そうですね。その辺は『オーバーロード』と同じです。本当はメカ作監なのですが、キャラクターも上手な方なので、総作監補もお願いしていました。本格的にメカが出てくるのが第8話以降なので、それまでは人が走るアクションやエフェクトなども直してもらっていました。後半は武器が中心でしたね。風銃、爆砲、ボウガン、それから馬や、ウサギなんかもやってくださいました。オールラウンダーなので、全般的な底上げになり大変助かりました。</p>
<div id="attachment_1138" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/04/63-hashimoto03-bamen03-1024x576.jpg" alt="第12話に登場した爆砲。『アルデラミン』はメカ描写もある作品だ。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1138" /><p class="wp-caption-text">第12話に登場した爆砲。『アルデラミン』はメカ描写もある作品だ。</p></div>
<p>——　主要でないキャラやメカをしっかりと描かれる方だと。<br />
橋本　ご自身も、そういった全体的な底上げの作業が必要だと、しっかり考えてる方なので、とても助かりました。ある種なんでも屋的な面もある仕事なのですが、快く引き受けていただけました。今回は設定が肝になってくる部分でしたので、美術と小物に関してはある程度押さえられる人が必要だったんです。<br />
——　3Dについてはいかがですか？　3D監督としては田中（康隆）さんが立たれているんですよね。<br />
橋本　そうです。『ダイヤのA』の3D監督でもありますね。<br />
——　3Dはそこかしこに使うだろうという目論見が最初からあったのですか？<br />
橋本　モブが出てくるので、兵士はいるだろうと。ただそんなに戦争描写をするつもりはありませんでした。第8話以降からしか戦争をしないので、前半は3Dがあまり出てこないと思っていました。とはいえ、前半からもう少し群集に力を割いておくべきだったと思います。後半増えてしまうので、先んじてやっておけば、それを使えたんですよね……。どちらかといえば第4話の模擬戦のような、ワンオフのカットが多くなってしまったんです。<br />
——　第4話の模擬戦は、相当大変だった？<br />
橋本　そうですね。あれは結局運動会なんですよ。実戦じゃないから余計大変でした。突っ込んできて、広がっていって、ヤトリが撤退して、イクタたちも撤退してという段取りを踏んでいる戦いなんです。陣形がそのまま移動するので、実戦と違って理路整然としていて、もの凄く地味なんですよ。普通の戦場なら死者が出るので、何人か倒れて走り回ればそれっぽく見えるのですが、生きているわけですから。だから結局模擬戦で作った、3Dや演出の雛形が、他の話数に活かせない感じになってしまいました。例えば、軍人歩きも雛形を作ったんですね。<br />
——　ザッザッザッと歩いてくるような？<br />
橋本　そうです。第3話でスーヤが軍人を引き連れてくるあたりで、ちょっとだけ出てくるのですが、結局後半は普通に歩いているんです。あんな歩き方は訓練している時しかやらないので。あと騎兵と歩兵以外のバリエーションが多かったのも、大変でしたね。風銃持ち、ボウガン持ち、剣持ち、馬に乗っている、乗ってない……。「ここモブ3D置いといてください」と指示を書いても、銃持ちかボウガン持ちか剣持ちか、どれを置けばいいのかわからないんですよ（笑）。<br />
指示をする演出も、作業をする3Dスタッフも大変だったと思います。</p>
<div id="attachment_1139" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/04/63-hashimoto03-bamen04-1024x576.jpg" alt="第3話より、隊を引き連れてイクタのもとにやってくる、スーヤの初登場シーン。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1139" /><p class="wp-caption-text">第3話より、隊を引き連れてイクタのもとにやってくる、スーヤの初登場シーン。</p></div>
<p>——　では田中さんは見せ所があったかというより、難しくて面倒な作業を受けられたんですね。<br />
橋本　そうです。でもやっぱりそれが無いと画面がもたなくなってしまう。戦いを描写する時に、ワーッと走ったりするシーンは必ず出てきますので。ただ、なぎ倒して突き進むヤトリをかっこよく見せるシーンばかりでもありませんので。</p>
<h3>続きを作るとすれば、さらに制作は難しい……!?</h3>
<p>——　今回最もご苦労されたところもお聞きしておきたかったのですが、では今お話されたような……。<br />
橋本　そうですね……。苦労した面に関しては『アルデラミン』という小説をビジュアル化するということ、そのものでした。これまで自分が担当してきた作品は、そこに理屈はあるけれど、理屈が目に見えない作品が多かった気がします。ビジュアルとして見えるのは、魔法を撃ったり、超人的な力を出したりといったものだった。『織田信奈』は違いましたが、これは桶狭間の戦いだったり、実際の戦いをもとにしているから、指針はあったんです。でも、『アルデラミン』では白兵戦と銃撃戦と、さらに銃撃戦の武器レベルに格段の差があったり、いわば『ファミコンジャンプ』的な戦いを、違和感を感じないようにビジュアル化しないといけないので。<br />
——　悟空とルフィが戦ってるような？<br />
橋本　まあ、極端に言うとそうかもですね。どっちも強いのは分かるけど、かたや宇宙を崩壊できる人間と、腕が伸びる男。ガチで戦ったら悟空がルフィの射程外から気功砲を撃って終わりなのですが、それを同一線上に置かないといけない……みたいな話でしょうか。<br />
そこに関しては読み違いも正直ありました。もっと効率よく作ることができた……とは思います。とはいえ、その分丁寧にやっているので、ある程度説得力は出ているのかと。<br />
あと難しかったのは前半からずっと戦争じゃないってところでしょうか。<br />
——　なるほど。先ほどもおっしゃっていましたが、本格的な戦いは第8話以降ですものね。<br />
橋本　最初から戦っているという作品だと、もっと戦のビジュアルだけに特化した映像にしたと思います。そこは上手くいった部分でもあるとともに、後半大変だった原因になっているかもしれません。もし続きを作れる機会があったとしたら……さらにキャラクターの立て方が難しくなりそうですね。剣やボウガンなどが活躍する場が少なくなっていくと思いますので。</p>
<div id="attachment_1140" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/04/63-hashimoto03-bamen05-1024x576.jpg" alt="指揮官であるイクタは、アクションシーンもそれほど多くはない。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1140" /><p class="wp-caption-text">指揮官であるイクタは、アクションシーンもそれほど多くはない。</p></div>
<p>——　原作の中盤あたりだとなくなっていきますね。<br />
橋本　そうなってくると風銃持ちがフィーチャーされていくので、内乱のほうに話がいくんだと思うのですが…。爆砲が当たり前のようにある世界観になっちゃうと、戦場の兵器のレベルが高くなってしまい剣やボウガンなどを使うことが少なくなると思います。割り切って爆砲と爆砲の使いあいにしてしまうと、作り方としては完全に1期と変わってきますよね。<br />
——　指揮官として有能なイクタとヤトリが指揮をしていく作品になるような。<br />
橋本　そうですね、二人とも自分では表に出ない。指揮をひたすらする……まあ、そっちのほうが映像化しやすいのかもしれないのですが。といいつつ、クーデターのところは老イグセムも出てきますし……一筋縄ではいかないでしょうね。イクタとヤトリも指揮官としても優れているので、それはそれで面白いと思いますが。</p>
<p><strong><a href="http://ani-ko.com/64-hashimoto04">＜第4回を読む＞</a></strong></p>
<p><strong>Official Website</strong><br />
テレビアニメ『ねじまき精霊戦記　天鏡のアルデラミン』公式<br />
<a href="http://alderamin.net/"> http://alderamin.net/</a></p>
<p><strong>Soft Information</strong><br />
Blu-ray＆DVD第1巻～第7巻発売中<br />
価格：Blu-ray7,200円＋税、DVD6,200円＋税、第7巻のみBlu-ray4,000円＋税、DVD3,500円＋税<br />
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<p>（C）2015 宇野朴人／ＫＡＤＯＫＡＷＡ　アスキー・メディアワークス刊／「天鏡のアルデラミン」製作委員会</p>
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		<title>市村徹夫監督とマッドハウス、その「演出観」の違い 『ねじまき精霊戦記　天鏡のアルデラミン』アニメーションプロデューサー 橋本健太郎（第2回）</title>
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		<pubDate>Wed, 05 Apr 2017 04:00:53 +0000</pubDate>
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				<category><![CDATA[Anime]]></category>

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		<description><![CDATA[第1回ではマッドハウスと橋本さんのこれまでを中心に聞いたが、第2回からはいよいよ『アルデラミン』について掘り下げていく。監督である市村徹夫さんの演出の特徴について伺った。 Profile 橋本健太郎　Kentaro Hashimoto アニメーションプロデューサー。マッドハウス所属。代表作に『デスノ [&#8230;]</p><p><a class="more-link" href="http://ani-ko.com/62-hashimoto02">続きを読む</a></p>]]></description>
				<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://ani-ko.com/61-hashimoto01">第1回</a>ではマッドハウスと橋本さんのこれまでを中心に聞いたが、第2回からはいよいよ『アルデラミン』について掘り下げていく。監督である市村徹夫さんの演出の特徴について伺った。</p>
<p><strong>Profile<br />
橋本健太郎　Kentaro Hashimoto</strong><br />
アニメーションプロデューサー。マッドハウス所属。代表作に『デスノート』『オーバーロード』『魔法科高校の劣等生』などがある。</p>
<p><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/04/62-hashimoto02-top-1024x576.jpg" alt="62-hashimoto02-top" width="1024" height="576" class="aligncenter size-large wp-image-1102" /></p>
<h3>「誰も疾走するキャラクターがいないんです」</h3>
<p>——　市村監督は映画がお好きと聞いたのですが？<br />
橋本　好きなんだと思います。フランスに留学していた経験があって、フランス映画には造詣が深いと思います。アニメの監督で映画を観ていない人間はあまりいないとは思いますが、市村さんはアニメより映画を観ているという印象があります。<br />
——　第1話の絵コンテを拝見させていただいたのですが、船が嵐に遭うところでの参考に映画のタイトルが入っていますね。<br />
橋本　ああ。「白い嵐」。わりと有名な映画ですよね。古川（知宏）さんも作品を沢山観られている印象があります。雑談などでお話する時に他の作品のお話をお聞きしたりしました。</p>
<div id="attachment_1103" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/04/62-hashimoto02-bamen01-1024x576.jpg" alt="第1話より。イクタたちが乗る船は予期せぬ嵐に遭う。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1103" /><p class="wp-caption-text">第1話より。イクタたちが乗る船は予期せぬ嵐に遭う。</p></div>
<p>——　古川さんというと、今回4話と8話の絵コンテ・演出を担当された方ですよね。<br />
橋本　古川さんはアニメにも作画にもとてもに詳しいと思います。監督や演出家にも詳しいですね。今回、3話と6話の絵コンテを担当された伊藤尚往さんなんかは歌舞伎なども観られているそうです。上手下手（かみて・しもて）の概念は演劇でもあるじゃないですか。花道がセンターで……とか。そういう概念は、東映の研究所（東映アニメーション研究所）で教わったと聞きました。アニメ以外の映像や演劇などの演出も含めて、そういったことにはみんな敏感ですね。演出家に好きな映画を聞いていくと、好みが結構出るので面白いです。<br />
——　ちなみにキャラクターデザイン担当の香月（邦夫）さんは、演出家でもありますよね。今回そのあたりでの意見の交換はあったのですか？<br />
橋本　確かに、香月さんは演出経験もある方なので自分の意見は言ってくれました。でも、今回はキャラクターデザイン・総作画監督でしたし、監督には明確な意見があったので大きく反映されたということはあまりなかったように思います。香月さんも僕もどちらかというと、ハッタリを効かせたアクションを好む方だと思うのですが、市村さんは、とにかくキャラ性を重視していた感じがします。でも、『アルデラミン』には、いわゆる「かっこいいキャラ」はいない。あえて愛のない言い方をすると、淡々としたヤトリと、遠くからヘッドショットするトルウェイと、バタバタしているマシュー、何もしないハロ、それを指揮するイクタという……。誰も疾走するキャラクターがいないんですよ。戦術も地道に組んでいきますし。<br />
——　『アルデラミン』は一見アクションが多い作品のように思えますが、ぱっと見の印象と内実が違うんですね。</p>
<h3>演出として意味がなければ採用しない</h3>
<p>——　いくつかのインタビューを読ませていただきましたが、市村監督は、ご自身の演出に強い信念を持っていらっしゃるようですね。<br />
橋本　そうですね。マッドハウスって元々カッコいい絵や構図で見せる作品を好む印象があります。演出とは関係ない部分でも、ビジュアルを重視する感じでしょうか。「格好良ければいい」みたいなところがあると思います。市村さんは大分そこが違っていて、演出として意味がなければ、そうした手法を採用しないし、無駄にケレン味を採らない。演出意図から若干外れた誇張された演出が好きではないのかもです。自分や『アルデラミン』の色彩監督の大野（春恵）さん、撮影監督の伏原（あかね）さんなんかは割と格好良さ優先で、「格好良ければいい」という感じがあると思います。極端な例えですが、カットが繋がってなくても、格好良い画面であれば良い。でも、そういった細かいところでも、市村さんなりの考えがあったように思います。<br />
——　他にどういったところに市村監督らしい演出が見て取れますか？<br />
橋本　2話なんかがそうですね。アルシャンクルト皇帝の玉座の間は、僕はもっとコントラスト強くステンドグラスから光が入ってくると思っていたんですよ。それで影が入って、王座の方は黒く染まっていて、主人公に光が当たるような。それで腐敗している人間とそうでない人間という分け方をするのではないかと。これは『GUNGRAVE』の14話で都留（稔幸）さんがやった演出法で僕も凄く印象に残っているんです。<br />
——　それはどういう演出だったのでしょうか。<br />
橋本　エレベーターの中で、主人公はずっと光の中にいて、親友だったハリーは影の中にいるんですね。最後にようやく光の中に出てきたハリーが、主人公を殺してしまうという演出です。当時は斬新だったけど、時代を重ねて作品も増えて行く中で、だんだん一般化して、当たり前の演出になっていってしまった。そういった演出に対しては、あえて一度違う方法を模索している印象があります。それは良い部分でもありますが、流行と逆を行く事もあるので、匙加減が難しいところですね。</p>
<div id="attachment_1104" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/04/62-hashimoto02-bamen02-1024x576.jpg" alt="第2話より。玉座にてイクタたちは皇帝への拝謁を許されるが……。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1104" /><p class="wp-caption-text">第2話より。玉座にてイクタたちは皇帝への拝謁を許されるが……。</p></div>
<p>橋本　『アルデラミン』のキャラクターデザインは、最初はもう少し原作の竜徹さんのイラストを反映した絵にする可能性もあったのですが、監督はリアル目な造形でいきたい。戦争を扱っているし、一枚絵としてのイラストではないので、作風にそぐわない場面も出てくるだろう。軍服のデザインなども、原作イラストでは可愛いデザインにまとめられていますが、戦争を扱う作品ですし、演出もそういった生死を扱うことになるので、そういったシーンでも合うように、多少変えさせていただきました。そういったしっかりした意見は持っているし、納得はできる理由ではあります。演出方法でもそうですが、そういった面は諸刃の剣なこともあると思いますが。<br />
——　それはもっと大衆娯楽的な作風にすべき場合もあるのではと？<br />
橋本　そうですね。場合によってはハリウッドっぽく作らないといけないと思います。市村監督は「とりあえず爆発しておけばいいじゃん」というようなビジュアル重視の考えは好きではないと感じました。作品の意図にあまり関わらないところでの、サービスは苦手なのかもですね。</p>
<h3>あえてアクションがないオープニングを</h3>
<p>——　他に市村監督の演出で特徴を感じられた部分はありますか。<br />
橋本　自分が担当した作品では、あえて目を隠すような演出をする時があります。例えば今回3話分絵コンテをお願いした浅香（守生）さんは結構コンテ時にそうされていましたが、市村さんは必要がないところで目を見せないのは、意味が違うと考えられているようです。目を隠すと意味深な感じが出てしまうので、特に必要がない時はなるべく目が見えるように指示を出されていました。</p>
<div id="attachment_1106" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/04/62-hashimoto02-bamen04-1024x576.jpg" alt="第11話より。浅香守生氏の絵コンテ担当話には時折目を隠す表現が用いられる。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1106" /><p class="wp-caption-text">第11話より。浅香守生氏の絵コンテ担当話には時折目を隠す表現が用いられる。</p></div>
<p>橋本　市村さんにとってマッドハウスは異文化なところもあったと思います。それはこれまでマッドハウス以外でメインのお仕事をされているスタッフと仕事をさせていただいた経験でもそう感じますね。会社や作品の考え方が変われば、そこは変わるかなと。いずれにせよ演出の「我」みたいなものは、監督には必要だと思います。それがしっかりとあるのが、市村監督の面白いところだと思います。<br />
——　ちなみに、こういった作品でオープニングに激しい戦闘シーンがほぼないのは非常に珍しいと思うのですが、これも監督の方針の一環なのでしょうか。<br />
橋本　そうですね。オープニングの展開は曲に対して結構地味なのですが、ジャンやアクガルパなど敵キャラクターを入れたり、激しいバトルの絵を入れたりすることも可能だったと思います。でも、市村さんはそういうバトル中心のオープニングよりも、メインキャラクターの背景を描かれたのだと思います。<br />
——　そもそも意図として、アクションを入れていないんですね。<br />
橋本　イクタやヤトリが戦うシーンは、あまり本編の流れと関係ないですからね。凄いアクション寄りの作品でもないので、映像の尺が取れるなら、政治が乱れているところや、精霊を整備しているところ。ボウガンの弦がちゃんと張れているか、といった戦争に入っていくまでの緊張感の高め方に力を入れたいと思っていました。結局、ハイパーバトルを描く作品でもありませんし。ヤトリが10メートル飛べたりすると、アニメーション的にはハッタリも利くし、絵的にも格好良いのですが、そういったことをする作品でもキャラクターでもないですしね。</p>
<div id="attachment_1105" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/04/62-hashimoto02-bamen03-1024x576.jpg" alt="オープニングより。イクタたちの日常がフィーチャーされている。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1105" /><p class="wp-caption-text">オープニングより。イクタたちの日常がフィーチャーされている。</p></div>
<p>——　11話にそれを強く感じました。ハイパーアクションより、戦場感を大事にしていると言いますか。<br />
橋本　主人公側は600名、シナーク族が200名、自軍800名のうち何人かしか使えない状態で、相手は12000人という状況なのですが。あれはオーソドックスな撤退戦に見えて、実は結構タクティクス的にも珍しいですし、複雑な設定でした。加えて、『アルデラミン』はこの時点でライフルの射程が約200m、風銃が40m、ボウガンが30m位で、白兵戦もある。この技術レベルが違う兵器が混在している中で、各キャラクターの兵種毎の役割もあります。<br />
原作小説を細かく検証していくと、いくつかは尺が限られたアニメーションのシナリオとして、まとめると矛盾を起こしてしまう部分があったりします。でも、感情ラインをしっかり描く事で、多少不自然でも気にならないように注意はしました。そのあたりを表現するのが難しかったです。<br />
——　パッと絵面で見て、矛盾していそうなところをごまかしてしまうということですか。<br />
橋本　そうですね。そのあたりのバランスでしょうか。シナリオ時に矛盾点が合っても感情線を中心に気にならないように注意したように、絵コンテ時はそれを絵にした時にも気にならないように、注意しなければいけないので、とても大変だったと思います。<br />
——　でも、できあがった11話については、回想含めてその見せ方もすごく上手いと思いました。<br />
橋本　ありがとうございます。先程もお話しましたが（<a href="http://ani-ko.com/61-hashimoto01">第1回</a>を参照）、市村監督はそういう心情に寄り添った見せ方をするのが上手いのだと思います。</p>
<div id="attachment_1107" style="width: 1034px" class="wp-caption aligncenter"><img src="http://ani-ko.com/wp/wp-content/uploads/2017/04/62-hashimoto02-bamen05-1024x576.jpg" alt="第11話より。イクタとヤトリの会話は鬼気迫る何かが感じられる。" width="1024" height="576" class="size-large wp-image-1107" /><p class="wp-caption-text">第11話より。イクタとヤトリの会話は鬼気迫る何かが感じられる。</p></div>
<p>橋本　ただ、オープニングも最後まで観て意図がやっと分かるような作りですし、パッと見の派手さは弱かったのかもです。アニメにおいては、最初の5分が大事という部分もありますから……。『アルデラミン』については、本格的な作りにできる土壌があり、作品性をより高められた気もしますが、反面地味になっているところもあったのかもです。アニメーションプロデューサーとしての個人的な意見ですが、自分がやりたいことだけを続けていても、仕事が続かない場合がある。個人の能力如何はともかく、時代の流行り廃りなどは強く認識しないといけないのかなと思います。</p>
<p><strong><a href="http://ani-ko.com/63-hashimoto03">＜第3回を読む＞</a></strong></p>
<p><strong>Official Website</strong><br />
テレビアニメ『ねじまき精霊戦記　天鏡のアルデラミン』公式<br />
<a href="http://alderamin.net/"> http://alderamin.net/</a></p>
<p><strong>Soft Information</strong><br />
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<p>（C）2015 宇野朴人／ＫＡＤＯＫＡＷＡ　アスキー・メディアワークス刊／「天鏡のアルデラミン」製作委員会</p>
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