第1回、第2回、第3回と続いた本記事も、これにて最終回。マチ★アソビ公演で天候に悩まされたエピソード、東京公演に向けての抱負や本プロジェクトの展望について語っていただいた。
Profile
横嶋俊久 Toshihisa Yokoshima
アニメーション監督・演出。ゲームのPVやOP、ミュージックビデオ等の演出を多く手がけ、2009年に短編『アマナツ』を監督。神風動画所属を経て現在はフリー。『COCOLORS』では、監督・脚本を担当。
水崎淳平 Junpei Mizusaki
神風動画代表取締役。テレビアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』第1部のOPディレクターなど、映像作品の演出を多数手がける。社訓でもある座右の銘は「妥協は死」。『COCOLORS』エグゼクティブ・プロデューサー。
納谷僚介 Ryosuke Naya
声優プロダクション・マウスプロモーション、音響制作会社・スタジオマウス代表取締役。音響制作、キャスティング、音響監督として多くの作品に携わっている。『COCOLORS』「スペシャルコラボLIVE」の舞台監督。
遺跡のような仕事を残していく横嶋監督
—— 下世話な話で恐縮なんですけども、このライブには大変な手間とお金がかかっていますよね。映像を自腹で作るのにも大きな覚悟がいったと思いますが、そこに役者やミュージシャンの方が参加して、しかもマチ★アソビの公演には、みんなで徳島までいかなければならない。普通に映像に音をつけるよりも大変なコストがかかっていると思うんですが……。
納谷 (乾いた笑い)。
—— どこかで、そういう決断もされたと思います。
横嶋 ……マウスさんには、かなりのご迷惑をおかけしているはずです。
納谷 これって面白い話になるか分からないですけど、投資ですね。
水崎 マウスプロモーション、ここにありみたいな。
納谷 (芝居かかった口調で)まあ、しょうーじき、お金的には大変かかっております。
横嶋 いや、ほんとに……。ああ、なんて俺は軽々しくこんなことを……。
納谷 あのですね、横嶋さんという方はずるいんですよ。
一同 (笑)。
納谷 色んな監督さんがいらっしゃいますけど、例えばこう上から「俺はこう思うから、こうやるのだっ」みたいに言われるとするじゃないですか。そうしたらこっちも「嫌です」とか「無理です」って言いたくなるんですけど、横嶋さんはこういつも「申し訳ない」っていう顔でニコニコしながらやってきて、「なんとかならないですかねえ」と言ってくるという……。
—— (笑)。
横嶋 (大笑いしながら)それっていちばん、たちの悪いやつじゃないですか。
納谷 これを断ったら、この人は死んでしまうんじゃないだろうかみたいな、捨てられた子猫のような顔をしてやってくる傾向がありまして。
横嶋 そうですね。納谷さんに相談するときは、そんな感じでした。
納谷 もうねえ……「これ嫌って言えないじゃん!」って。今話していること以外でも、横嶋さんはいろいろ難題をおっしゃるわけです。で、僕が一応、やわらかい言い方で「それは難しいですよ」と言ってるときもあるんですよ。でも、この監督さんは曲げないんですもん(笑)。ずうっと悲しそうな目で見つめてくるんです。もう、そうするとこっちはしょうがないから「わかりました。やればいいんでしょう」となるわけですよ。……そういう時は、ずるいなっていつも思います。
—— 水崎さんから見て、他の神風動画の仕事でも横嶋さんは、そういった粘りをみせることがよくあったんですか。
水崎 (あっさりと)ああ、そうですね。いちばん金のかかる人です。
一同 (笑)。
水崎 横嶋案件は、ほとんど黒字を期待してません。でも、凄い足跡というか、しっかりしたものを残していくんです。仮設住宅ではなく、ちゃんと遺跡を残してくる。
—— 遺跡ですか。
水崎 これまでの『ドラクエ』シリーズのオープニングの仕事でもそうですし、ショートなものについても、もう絶対に風化しない遺跡のような仕事を残していくんです。
納谷 今流行りのレガシーですね。
水崎 『COCOLORS』では、もうちょっと大きな遺跡を作ってもらえたらというのがありました。なので、僕はこういうことになるだろうと分かっていたところもあったんですよ。お金もかかるだろうと(笑)。
納谷 正直この企画の中で、唯一のタブーがお金の話なんですよ。お金の話を考えだすとですね、いくら「よしやるぞ」と決めてやってきても、やっぱりその瞬間だけ「俺、何してたんだろう」と思ってしまうんですよ(笑)。
一同 (笑)。
横嶋 今回の公演では、本当にいろいろ皆さんに助けていただいていて……。
—— マチ★アソビという場だったから、こういうことが実現できたという部分もあるのではないですか。
納谷 いや、だって考えてください。眉山の山頂で上映というと綺麗に聞こえますけど、準備する側としては、山の上にある駐車場にってことですからね。いってみれば、それだけの高さのところにある駐車場に、映画館兼コンサートホールを作るようなものなんですから。
横嶋 あれも僕が確か、どうせやるんだったら、雨が降ろうが眉山の山頂でやりたいと言った記憶が……(笑)。
納谷 最後の最後まで悩んだんですよ。雨が降るという可能性もあったから、どこかのホールを借りて屋内でやった方がいいって話もあったんです。……(小さな声で)でも、監督が「眉山の山頂だ」と言い張って。「いやだって、雨が降ったらどうするんですか」「ですよねえ……でも、眉山の山頂です」と。そういう前後の繋がらない会話が続くわけですよ(笑)。
—— (笑)。
横嶋 やっぱり、どうせやるのならば、眉山の山頂でやりたいなと。ああいう素敵な場所が使えるのはユーフォー(テーブル)さんのおかげだと思うんですけど、あの場で『COCOLORS』のライブをできることは二度とないかもしれない。そう思ったら、そっちを選択してしまったというか。ホールは、もしかしたらまたやれる可能性もありますので。
—— 眉山山頂で夜に、あのライブを体験できたのはよかったです。遅い時間でしたから、大変なお客さんもいたかもしれませんが。
横嶋 いや、ほんとに大変な環境の中を観ていただいて、本当に有り難かったです。かなり寒くて、コンクリートの地面から冷たい空気が吹き上がってくるような状況でしたから。最初はほんと、みんな帰ってしまったらどうしようかと、ずっと思っていたんですけど、沢山の方々に残っていただけて。
水崎 当日は雨にならなくて、ほんとよかったですよね。機材もみんな運んできているし、役者さんもミュージシャンも徳島まできているわけですから。
納谷 土砂降りだったら、本当にもうどうしようもなかったんです。電子系の楽器もあるので、雨の中でやる選択肢はありませんでした。
水崎 そのことは、事前に僕もスタッフから聞いていました。「雨が降って中止になっても、支払いは発生しますよ」と。事情はわかっていましたので「いいよ」って言ってましたけど。
—— 事前の予報だと、雨が降る確率がかなり高くて危なかったんでしたよね。ライブ当日の朝に少し降ったんじゃなかったでしたっけ?
納谷 もう前日からずっと天気予報をみてました。今、20時の降水確率が50パー(セント)になったとか30パーになったみたいな話をずっとしていて。
横嶋 週間予報の時点で、だいぶまずそうな雰囲気だったんですよね。徳島に行って、はたしてどうなるかみたいな感じで。
納谷 天気があやしいからと、機材のセットを2つ用意するのは物理的にできなかったんです。ホールに作るか、山の上に作るか、どちらかしかなかった。だから、ホールに作った方が安全だという考え方もあったんですよ。ただ、監督が「山でやる」と。「いやいや監督! 天気予報がね……」っていうやり取りもありました。
水崎 僕らはあんまり安全牌は考えないんですよ。こういう社名ですし。余談ですけど、僕は『COCOLORS』のライブの直前に、眉山の麓にある阿波おどり会館で、サイバーコネクトツーの松山(洋)社長達と大喜利対決をしていたんです。
—— 毎回、マチ★アソビでやられているイベントですね。
水崎 僕はそこで負けてきたんです。これでライブも雨で中止になったらダメージが大きいなあと思っていたのを思い出しました。
納谷 天気については、ほんと勝負強かったと思いますよ。天気予報的には、途中まで完全にアウトだったんですから。
水崎 僕は、そのための生け贄だったんじゃないかと思っているんですよ。サイバーコネクトツーさんに負けたおかげで、晴れたんじゃないかと(笑)。
東京公演は、この形式で継続していくための第一歩
—— 話を聞いていくときりがないので、そろそろ東京公演の話に移ります。この公演を、新宿バルト9でやろうと思ったのは、マチ★アソビでの初演に手応えがあったからですか。
水崎 その前のゲネのときの手応えからかもしれませんね。
—— あ、なるほど。
水崎 ゲネを観ながら、「これは東京でもやりたいな」と僕は思ってました。ただ、納谷さんも阿部さんも本番を控えてピリピリしているから、マチ★アソビを越えるまでそんな話をしちゃ駄目って周りからは言われていて。東京でもやるとなったのは、いつだったんでしょうね。
横嶋 マチ★アソビの打ち上げの席で、納谷さんと2人で話していた時なんじゃないですか。
水崎 そうだったかな。
納谷 いや、正直僕もゲネが終わったあたりで手応えはあったから、やりたいなって気持ちはありましたよ。ここまで作ってきたものが1回でおしまいというのは切ないなっていうのもありましたし。とはいうものの、僕は僕で言いだせなくて……。もしかしたら、山の上で失敗するかもしれなかったわけだから(笑)。
水崎 そう! それは僕も思った。
納谷 もしかしたら、散々だったかもしれないわけですし。
横嶋 僕も、そうでした(笑)。
納谷 だから、なかなか言えなくて。でも、やりたいなとは思っていました。
—— 3人とも、同じタイミングで他でもやりたいと思われていたんですね。
水崎 きちんと眉山でのステージを終えないと、そういう話をする気分にみんななれないんだろうなと思って待ってた感じはありましたね。それがバーンと上手くいって、お客さんの反響もすごくよかった。ずっと拍手が鳴りやまなかったのは嬉しかったですね。その後、みんなで飲みにいって、東京でやりましょうと。
納谷 あの日は、よく飲みましたね。翌日の朝にイベントを突っ込んでいたので、死ぬかと思いましたけど(笑)。
水崎 ただ、僕としては阿部さんはどう思っているんだろうっていう心配がまだあったんですよ。
横嶋 ああ、そうですねえ。
水崎 打ち上げの飲み会のときも、僕は阿部さんの表情をずっと窺っていたんですよ。そうしたら阿部さんからも「またやりたい」という言葉があって、それだったらできるんじゃないかなと。
納谷 これはこの前、神風さんとの雑談の中でちょっとお話させてもらったことなんですが、僕としては、このライブをずっと続けていきたいなと考えているんです。毎月なのか、3ヶ月に1回なのかペースはわからないんですけどね。最初の話に戻ってしまいますけど、これは映像の新しい見せ方だと思っていますから。さらに僕の理想というか夢を言わせてもらうと、キャストやミュージシャンを変えてやるのもありなのかなと思っているんです。
—— ああ、なるほど。舞台の再演のときに、主役が変わるように。
納谷 例えば劇団四季さんの舞台でも、今回のジャン・バルジャンは誰がやるんだろうっていう楽しみがあって、それぞれの役者さんの演技にファンがついたりしますよね。『COCOLORS』でも「今回は音楽がこの人になったぞ」とか「アキを誰々が演じます」という風にやって、それが気に入る人もいるだろうし、やっぱり初演の阿部君の演奏や高田の演技が好きっていう人もいる。誰々バージョンみたいな感じでやっていくことで、色んなタレントさんを前にだしていけたらなと思っています。
—— なるほど。
納谷 意識して話したことではないんですけど、さっき聞いてもらった、この形式でやると役者さんの上限を超えるものが見せられるというのも大きいです。普段、皆さんが観ている以上のものを引き出せるやり方だなと分かりましたから、ウチだけでなく、他の事務所の役者さん達にも参加していただいて、色んなバージョンでやっていけたらなと思っています。今回の東京公演が、その良い皮切りにできたらいいなと。
水崎 そうですね。この形式で続けていくためのお披露目のつもりで、まずはバルト9に挑もうと。この良さは言葉だけではなかなか伝わらないですし、今後興行として継続していきたいと思ったときに、マスコミの方だったり、箱を持っているシネコンや興行主の方々にも観ていただけると、もう少しチャンスが広がるのかなとも思っています。
納谷 僕は、この形式自体に何か名前をつけた方がいいなとずっと思っているんですよ。何か良い名前をつけて、定期公演みたいなことができたらなと。
—— ネーミング、難しいですね。
納谷 東京公演をきっかけに、この形式にチャレンジしてくれるところが、他にもでてきてくれないかなとも思っています。そうしたら面白くなりますよね。今回はマウス×神風チーム、次はどこそこチームっていう風に、色々な作品がこの形式で届けられるようになったら、映像が簡単に風化しない時代を作れるかもしれない。大袈裟な物言いになっちゃいますけど、そんなことも少し思っていたりします。まあ大変ですので(笑)、やってみようという方には、かなりの覚悟をもってやっていただきたいですけれど。
—— 屋外だったマチ★アソビの初演と違って、東京公演ではバルト9でやること自体にも別の苦労があるんじゃないですか。
納谷 ありますね。今まさに、豊臣秀吉の気持ちで色々やっているところです。
—— 豊臣秀吉ですか?
納谷 徳島のときと違って、仕込みの時間があまりとれないんですよ。他の場所でなるたけ機材を組んでおいて、それを一気にバルト9に持ち込んで一夜城を作ろうと(笑)。一瞬で組み上げるにはどうしたらいいんだろうって、みんなで試行錯誤しています。
「GASOLINE MASK」プロジェクトに込めた想い
—— 最後に、横嶋監督と水崎さんから今回のチャレンジについて伺って締めたいと思います。東京公演を控えた今、どんなお気持ちですか。
横嶋 神風動画というスタジオに10年ほど在籍して、凄いチャンスをもらった時、どういうものを作ったらいいんだろうと考えたんです。その時、僕じゃなくてもいい作品を作ってはいけないなとまず思ったんです。神風動画で10年やってきた今の僕が出せるものを作らなければいけない。そうした考えでやっていく中で、キャラクターに顔がないとか、ちょっと他にはない作品性になっていきました。実際に作ってみて感じたのは、水崎さんも言っていたように、やっぱりこれは自腹で作るしかないぐらいの企画だと思うんです。どこかにもっていって協賛は得られるようなものではないだろうと。そこを諦めずに、ずっと投資し続けてくれた水崎さんと神風動画には……。
水崎 なんか、すごい持ち上げるね(笑)。
一同 (笑)。
納谷 ここは、みんなで褒めあっていくスタイルですよ。
横嶋 (笑)。スタジオも僕も、これだけの長さのものを作るのは初めてだったので、最後まで作りきれるかずっと不安でした。なんとか完成までもっていけて、それをどう見せるかという部分も含めて、僕らとしてはチャレンジできる作品にはなったかなと思っています。そして、納谷さんを始めとする色々な方々に助けていただいて、マチ★アソビで公演をすることもできました。これから『COCOLORS』という作品がどう広まっていくのか、僕が作っただけのものを回収できるのかは、まったく未知なんですけれど、何かしら新しい形として世の中に出すチャンスを得たというのは本当に大きいことだなと感じていて。あとは本当に、この作品をひとりでも多くの人に観ていただけると有り難いなと思っています。
—— 水崎さんからもお願いします。
水崎 僕としては、製作委員会の方から回収、回収といわれなくて済むものを作ることがまず大事だなと思っていたんです。『COCOLORS』が興行的に成功するかどうかはまだ未知ですが、黒字になるとか利益になるとか、あんまりそこは重視していなくて。
—— そうなんですか。
水崎 でも、前例を示すことは絶対にできると思っているんですよ。この作品を観て、「あ、これやりたい」って他のスタジオさんや配給会社さんに感じていただけると思うんです。声優さんもそうですよね。「演じてみたい」って思っていただけるんじゃないかと。納谷さんがおっしゃられたように、今までにないアニメーションの残し方があるんだっていうのは発見でしたね。『COCOLORS』という自分達で作った作品を、消耗品ではなく、遺産のように残し続ける方法を見つけることができたという気持ちです。
—— なるほど。
水崎 「前例を示す」ということで遡ると、神風動画はずっと前例を示し続けてきたスタジオなんです。19年ほど前、キャラクターのセル画部分を3DCGで代用できるんじゃないかと思いついて映像を作ってみたのは、たぶん僕が初めてだと思います。当時は、そんなことに対して首を縦に振るアニメスタジオさんがいなかったので、じゃあ自分でやってみようと2分くらいのショート作品を作りました。ガソリンに充たされたマスクを被ったキャラクターが、街をバイクでぶんぶん走り廻るという世界観のもので、そのタイトルが『ガソリンマスク』なんですよ。
—— その作品の世界観が、本作のもとになっているんですよね。
水崎 そうなんです。この『ガソリンマスク』と「前例を示す」という言葉は、僕の中ではセットなんですよ。19年前は「セル画の代わりに3DCGでキャラクターを作る」のが前例で、今回は「委員会からお金をもらわずに映画を作る」のが前例です(笑)。こういうことをやると何が起こるかということを示して、「あれ、やろうぜ」となってくれる。だから、僕はこれからもずっと『ガソリンマスク』という作品のテーマと運命を共にしなければいけないんだろうなと思っています。失敗するなら『ガソリンマスク』で失敗したいです。
—— PVの取材のときに、プロデューサーの清水(一達)さんから伺いましたが、『COCOLORS』は「GASOLINE MASK」プロジェクト(編注*)の1本で、同じ世界観で3部作を予定しているそうですね。
編注*1998年に発表された短編は『ガソリンマスク』、今回のプロジェクトは「GASOLINE MASK」と表記をわけている。プロジェクトの詳細は、PV制作時の記事を参照。
水崎 横嶋君の『COCOLORS』でワッと勢いがついたら、残りの2部作のどちらかで僕も乗っかろうと思っています(笑)。
—— 水崎さんの中で、『ガソリンマスク』と「挑戦すること」はイコールなんですね。新しいことにチャレンジするときは、『ガソリンマスク』としてやりたいと。
水崎 はい。今度はVRでやりたいです。
—— おおー。
水崎 僕は、ネタを温存するのはあんまり好きじゃないんですよ。次の「GASOLINE MASK」プロジェクトはVRでやってみたいなと思っています。
横嶋 19年前に水崎さん達が作った『ガソリンマスク』では、当時の技術的な問題でキャラクターにマスクを被らせて表情をみせないようにしていたんですよ。今は3D作品でもわりと普通に表情をつけていますが、そういう状況の中であえてマスクを被らせたら、今度はどんなテーマ性が生まれるんだろう。そうした発想から『COCOLORS』の企画は始まっています。
水崎 当時のCGソフトではたいして顔も動かせなくて、手描きのキャラクターの表情の豊かさに、到底及ばなかったんですよね。そこをドンキホーテ的に向かっていくのではなくて、覆い隠してしまおうと。『カクレンボ』(編注:神風動画の立ち上げメンバーだった森田修平監督が2005年に発表したOVA)とかも、同じような発想で作っていました。
横嶋 『COCOLORS』では、その手法を逆手にとったとき、どういう物語を生まれるのだろうかというのが出発点でした。
—— 逆転の発想から始まった本作が、このような上映形式となり、声優さんの演じる幅の広さにつながっているのは面白いですね。
横嶋 そうなんですよ。納谷さんが言われた運命という言葉のとおり、全てが上手くつながっていて。
—— 最後に、納谷さんからもお願いします。東京公演に興味がある方に、どんな言葉でこの魅力を伝えたいと思われますか。
納谷 僕の立場でいうのならば、「声優さんの本来の姿を見ることができる場所です」ということですかね。声優さんのいちばん強いポイントである声のお芝居をダイレクトに、普段の何割増しかで体験することができます。東京公演をとおして、声のお芝居の魅力を多くの人に知ってもらえると嬉しいです。
<『COCOLORS』音楽監修 阿部隆大さんインタビューを読む>
Official Website
『COCOLORS』ライブ告知サイト
http://gasolinemask.com/nishiki/cocolorslive.html
『COCOLORS』公式(英語)
http://gasolinemask.com/nishiki/cocolors
Information
『COCOLORS』スペシャルコラボLIVE東京公演
出演
高田憂希、秦佐和子、岩中睦樹、市来光弘、桑原由気、高井舞香
演奏
阿部隆大、持山翔子、小山尚希、工藤明、栗林スミレ、野崎心平、Uyu
日程(全4回)
2月17日(金)20:00〜21:30、22:00〜23:30
2月18日(土)8:30〜10:00、10:30〜12:00
会場
新宿バルト9(シアター6)
http://wald9.com/
チケット価格
6800円
最新情報は、ライブ告知サイト(http://gasolinemask.com/nishiki/cocolorslive.html)、公式ツイッター(https://twitter.com/cocolors2017)を参照
(C)神風動画