『おへんろ。〜八十八歩記〜』を歩き終えて。そしてこれから
TEAM OHENRO。(山下七海、江原裕理、高野麻里佳)

『おへんろ。』は、ufotableがプロデュースを手がける地元密着型プロジェクト。徳島新聞でのイラストストーリー連載、実写にアニメーションを合成した情報テレビ番組『おへんろ。〜八十八歩記〜』、実写映画など、多彩でユニークな展開が特徴だ。番組の視聴率が10.2%を記録するなど、幅広い層に広がりをみせている。「TEAM OHENRO。」として、声の出演、歌、実写映画出演をはたした3人に、1年の活動を振り返っていただいた(マチ★アソビVOL.14の初日、5月3日に収録)。

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Profile
TEAM OHENRO。
山下七海(写真中央) Nanami Yamashita

『おへんろ。〜八十八歩記〜』まお役。81プロデュース所属。徳島県出身。『Wake Up, Girls!』久海菜々美役、『ハッカドール THE あにめ〜しょん』ハッカドール3号役など。

江原裕理(写真右) Yuri Ehara
山口県出身。『おへんろ。〜八十八歩記〜』ちわ役で声優デビュー。現役高校生で、学校ではダンス部に所属。「ゆりぱん」の愛称で、マチ★アソビCAFEのキャストとして活動中。

高野麻里佳(写真左) Marika Kono
『おへんろ。〜八十八歩記〜』めぐみ役。マウスプロモーション所属。『それが声優!』小花鈴役、アプリゲーム『Tokyo 7th シスターズ』逢原ミウ役など。

『おへんろ。』と一緒に成長できた1年

—— 昨年GWのマチ★アソビVOL.12での初ステージからちょうど1年が経ちますね。『おへんろ。』の活動を振り返ってみて、いかがですか。

山下 この1年を振り返ってみると、昨年の夏に3人で歩いたのが大きかったかなと思います。それまではアフレコ現場で会うことが多くて、今思うと話すこともありきたりな内容ばかりだったんですが、一緒に歩いたことで色んな話ができて、どんどん仲良くなっていったんです。この3人で『おへんろ。』が一緒にできてよかったなと実感できた、思い出深い「歩き遍路」でした。1年たった今、こうしてまた3人でイベントができて、本当に嬉しいです。

高野 1年前のステージでは、緊張していて何を喋っていたのか全然覚えていないんです(笑)。でも、1年経った今では、わりと落ち着いてイベントに出られるようになりました。演じている、めぐみちゃんよりの性格になってきたのかもしれません。壇上で喋っていて、「あ、今のちょっとおかしかったな」と思ったら、言葉を直しながら喋ることができたりして、少し余裕がでてきたところもあります。作品と一緒に自分も成長できて、1年経ったのは大きいなという気持ちがあります。

—— 高校2年生で声優の世界に飛び込んだ江原さんには、初めてづくしの1年だったのではないですか。

江原 普通の高校生の生活から、急に大人の世界に飛び込びましたから、知らないことが本当に多くて、すべてが勉強でした。声優の仕事はもちろん、礼儀などについても学べて、少しは成長できたのかなと自分では思っています。でもまだ、収録のときに漢字が読めなかったりするので、そこはまだまだ勉強が必要な感じです(笑)。あらゆる面で、これからもっと成長したいと思っています。

—— 山下さんも、少し前まで学校と仕事を両立されていたと思います。同じ境遇の江原さんにアドバイスなどしたことはありますか。

山下 ありましたね。進路について相談にのったこともありました。

江原 色々アドバイスをしてもらいました。収録のときも、お2人から「こうしたらいいんだよ」と優しく教えていただいたおかげで、何とかやってこれました。

高野 3人で色んな話をしましたね。「今回のマチ★アソビでは何をするんだろう?」とか。

江原 『数え唄(おへんろ。数え唄〜徳島編〜/シングル「千と二百の物語」に収録)』の話とか(笑)。

山下 そうそう(笑)。

—— 『数え唄』は、今年2月にシネマート新宿で行われた上映会で披露されてましたね。楽しい歌で、会場が一体になった感じがありました。

高野 有り難うございます。あの上映会では、都内で初めて実写の映画(『おへんろ。〜八十八歩記〜 夏・私たちも歩いた』)をかけていただきました。まさか『おへんろ。』が映画になるとは思っていなかったので、何だか不思議な感じがしましたね。アニメのキャラクターではなく、実写の私たちも観にきてくださる皆さんの心の広さが有り難かったです。『おへんろ。』という作品が、沢山の方々に愛されているということがあらためてわかって、私たちももっと頑張らなきゃという気持ちになりました。

山下 『数え唄』を初めて歌ったときは、「ちゃんと全部言えるかな?」と、すごく緊張しました。でも、今はもう『徳島編』だったら、わりと苦労せずに言えるくらいになったんですよ。そういうところからも、時間が経ったんだなと感じます。

江原 これからはフルバージョンですもんね。15分もあるんですよ。

—— 15分? 徳島だけでなく四国すべてということですか。

高野 そうなんです。四国4県八十八箇所を一気に歌います。

山下・江原・高野 頑張ります!

実写映画『夏・私たちも歩いた』で深まった絆

—— さきほど話にでた、実写の映画『おへんろ。〜八十八歩記〜 夏・私たちも歩いた』について、あらためて聞かせて下さい。最初にこの話を聞いたとき、どう思われましたか。

江原 まさか自分たちが、スクリーンに映るとは思いませんでしたので驚きました。

山下 私もビックリしましたし、最初はなんだか「これ需要あるのかなあ……」とちょっと不安に思ったりもしました(笑)。

高野 ほんとですよね。私もまったく同じことを言おうと思ったけど、ちょっと心に秘めてました(笑)。

一同 (笑)。

山下 大丈夫かな、観てもらえるかな、と思っていたんですけど、すごく好評だったみたいで、それを聞いたときは嬉しかったです。

高野 私たちに注目してくださったファンの方だけでなく、お子さんや、地元のおじいさんやおばあさんも、テレビで観て面白いと言ってくださっていると聞きました。「色んな方が観て面白いと思えるものが作れたんだ」ということが嬉しかったです。

『夏・私たちも歩いた』のジャケット画像

映画『おへんろ。〜八十八歩記〜 夏・私たちも歩いた』のBlu-rayジャケット

—— 映画の撮影日数はどれくらいだったのでしょうか。

山下 去年の7月と8月に、2回にわけて撮ったんですよ。合計6日くらいです。

江原 1日中、歩いて歩いて……。

山下 みんなガチで歩いたんですよ。ほんとキツかったです。

高野 真夏でしたからね。

—— 途中で道に迷うところなどで、皆さんちょっと余裕がない感じがでていたようにも見えました。でも、ああいったことで、絆がより深まったりもしたんじゃないですか。

高野 みんなで歩いて、ほんとに仲は深まったと思います。いい経験になりました。

山下 車で移動していたら、この絆は生まれてないですね。大変でしたけど、良かったなと思います。

江原 歩いているときはほんとに辛かったですけどね。途中で、お接待(注:お遍路をする人に、おもてなしをすること)をうけたときには、「人間ってあったかいな」と思いました。人の優しさの有り難さだったり、あらためて思うことがいっぱいありましたね。

最後まで『おへんろ。』は『おへんろ。』だった

—— 江原さんは、マチ★アソビCAFEでキャストとしても活動されてますよね。

江原 マチ★アソビCAFEの方では、前回のマチ★アソビ(2014年10月開催のVOL.13)で署名が1000人集まればCDが出せるかもしれないという企画があって、今回念願かなって発売できました(編注*)。キャストはそれぞれ声優や歌手を目指していて、夢をかなえるために日々活動します。これからもみんなで頑張っていきたいです。

編注*マチ★アソビCAFEのキャスト達が歌う、ファーストシングル『君がはじまる物語』。マチ★アソビVOL.14で先行リリースされ、現在は北九州市にあるマチ★アソビCAFEで購入することができる。

—— 『おへんろ。』では末っ子的な立ち位置の江原さんですが、マチ★アソビCAFEではみんなを引っ張っていかれているんじゃないですか。

江原 定期公演の時など、引っ張っていけるようにはなりました。マチ★アソビCAFEのキャストは、みんなゼロから始まっていて、まだまだ手探りな部分も多いんです。私自身、『おへんろ。』でゼロからスタートして、色々やらせていただいてここまで来れたので、その経験を生かしてCAFEの方も盛り上げていきたいと思っています。

徳島県ポスター画像

徳島県の観光ポスター。左から、めぐみ(声・高野麻里佳)、ちわ(声・江原裕理)、まお(声・山下七海)

—— 先日、『おへんろ。〜八十八歩記〜』はひとまず最終回をむかえました。その時の感想をうかがえますか。

高野 最後まで『おへんろ。』は『おへんろ。』だったなって(笑)。その一言につきますね。どうやって終わらせるんだろう、最終回はいつもと違って寂しい感じになるのかなと思っていたんですけど、最後まであの空気感のまま終わることができて。寂しくもなく、前向きな気持ちで一区切りつけることができて、八十八箇所をまわりきったんだなという達成感がありました。

山下 高野さんが話されたように、最終回は感動してきれいに終わるって感じではなかったんですよ。ゆるっと、ふわっと終わる感じだったんです。でも、逆にそれが私はジーンときて、「『おへんろ。』らしい終わり方だな。最後まで頑張ってよかった」と思いました。

江原 最初に(放送が)1年あると聞いたときは、けっこうあるなと思っていましたが、やってみるとあっという間でした。毎月のアフレコでみんなに会うのが当たり前だったから、最後の収録が終わったときにはまだ実感がわかなかったんですよ。次の月になって、(アフレコが)終わっているからみんなに会えないんだってなったときに、やっと「終わったんだ……」という実感がわきました。

高野 活動は今後も続くと聞いて嬉しく思っています。何をやるかはわからないですけれど、それもまた『おへんろ。』らしいなと。そうやってマイペースで続けていくうちに、だんだんと作品が育っていって、それと一緒に私たちも成長していけるのかなと思っています。スタートから1年経って、こんなに大きくなったんですから。

山下 まだまだ、これからですよね。『おへんろ。』で、もっともっと色々なことができたらなと思います。

—— 最後に、今後の抱負を聞かせてください。

山下 『おへんろ。』は去年のマチ★アソビから始まってから、どんどん大きな存在になって、地元の方にも応援していただけています。次回のマチ★アソビにも、またこの3人で参加できるように頑張りたいと思います。

高野 めぐみというキャラクターを1年やらせていただいて、自分自身、成長できましたし、皆さんが『おへんろ。』のことを好きになってくれていることが実感できました。これからも、皆さんに愛される『おへんろ。』を続けていけたらなと思っています。もっともっと精進して、成長していく作品に見合う人間になれるよう、高みを目指して頑張っていきたいです。今後も『おへんろ。』を宜しくお願いします。

江原 自分にとっては、何もかも初めての体験ばかりの1年でした。3人でずっと一緒にやってきて、今回のマチ★アソビでも、1日駅長やクルーズでのディナーなど、また初めてのことができて嬉しかったです。これからも色々なことを、この3人でやっていきたいです。

Official Website
http://www.ufotable.com/ohenro/

Soft Information
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